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なぜ10代の若者は無謀なことをするのか? 最新研究でわかったその意義

oneinchpunch/shutterstock.com

 10代の若者はしばしば無謀な行動をとることがあり、親にとっては頭痛の種になることもある。しかし、最新の研究ではそうした無謀な行動の積極的な意義が注目されている。

◆純粋に世界を知りたいという欲求

 10代の若者の衝動的で、危険な行動については以前から説明されてきた。その中でも、神経科学者たちが前頭前皮質の未発達と脳の報酬領域との弱いつながりを原因とした説明が主流であった。脳の欠落が、危険な行動に繋がっていると捉えられていたのだ。

 しかし最新の研究はそれとは異なる新しい見解を打ち出している。それは、若者が衝動的に行動するのは、ただ自制心がないからなのではなく、世界について学びたいという欲求を持っているためだ、というものだ。

 その根拠として、論文の著者であるペンシルベニア大学のアネンバーグ公共政策センターで研究主任を務めるダニエル・ローマー博士は、若者のリスクをとる行動のなかで、今まで顧みられていなかったものを挙げている。それは刺激欲求といわれる、小説や刺激的な経験に大きな魅力を感じる、思春期によく見られる特徴である。

 この刺激欲求が悪い方に作用した結果、10代の若者はドラッグやギャンブルに走り、これが神経科学者などには過剰に問題視されてきた。しかし、ドラッグやギャンブル中毒も、若者の世界について知りたいという欲求のなかの、ほんの一部のものであると同氏は述べている。

◆脳に欠落があるからという説明の限界

 ドラッグやギャンブルにはまる若者というステレオタイプ像は、若者には脳の欠落があるという説明に一定の説得力を与えていた。しかし、大多数の思春期を過ごす若者は、この時期を物質依存や性感染症、妊娠、殺人などとは無関係に大人になる。また自制心を保つのに問題を抱える10代の若者は、4,5歳のときからその兆候が現れるという研究もあるという。脳に欠落があるからというだけで若者の行動を説明するのには限界があるといえるだろう。

◆新たな説明モデル

 研究では若者のリスクをとる行動の積極的な意義に注目した新たな解釈を提唱している。10代の若者がリスクをとりたがるのは、大人の世界の役割やマナーを身につけるために必要な経験を得るための適応必要性なのだという。ローマー氏は「10代の若者が探検したり、珍しさを探し求めるのは、後の人生で困難な仕事に立ち向かったり、難しい決断を下すために経験を積まなければいけないからだ」と述べている。

 10代の若者のリスクをとった行動は、大人の階段を昇っているということだ。犯罪行為は若さとは関係なく言語道断であるが、そうでない限りにおいては10代の若者が多少はやんちゃな行動をしたとしても、大人になるための成長過程だという目で暖かく見守ることも必要なのかもしれない。

Text by Yota Ozawa

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