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当然の結果ではある

「1年前より深刻」が半数以上 企業の人手不足(NHKニュース)

企業の人手不足の実態を財務省が全国の企業を対象に調査した結果、半数以上が1年前よりも深刻になったと答え、景気の回復が続く中、人手の確保に危機感を強めていることがわかりました。

この調査は、財務省が、人手不足の実態を調べるため、全国の企業1341社を対象に、去年11月下旬から先月中旬にかけて行いました。

それによりますと、全体の71%に当たる952社が「人手不足を感じている」と回答し、中でも52.1%に当たる412社が、1年前よりも人手不足が深刻になったと答えました。

特に専門的な知識や技術を持つ正社員が不足しているという答えが目立っていて、人手が確保できないために休日出勤や長時間の残業が増え、従業員の負担が重くなっているとしています。

一方、人手不足を解消する対応策をきいたところ、80%以上の企業が、会社説明会を増やしたり初任給の引き上げたりして、採用の取り組みを強化していると回答しています。

財務省は「今回の調査では、製造業でより人手不足が深刻化している。景気回復が進む中で、専門的な人材の不足が顕著になっているのも特徴的だ」と分析しています。

 真偽の疑わしい「人手不足」報道には事欠きませんけれど、現実世界の求人情勢はいかほどのものなのでしょうね。世の中には人手不足を託ちつつ頑なに最低賃金ギリギリでしか求人を出さない事業者なんかも普通に存在していますし、アルバイトの奪い合いなんかはそれこそ「正規雇用する気がない」事業者側の姿勢を顕著に反映していると言えます。マトモな会社のマトモな求人であれば今も昔も人は殺到する、ただ単に低賃金非正規労働者の調達が少しばかり難しくなっただけなんじゃないか、そんな気がします。

 なんでも全体の71%が「人手不足を感じている」と回答、52%が1年前よりも人手不足が深刻になったと回答しているそうです。有効な対策を打てていない企業が、半数以上あると言うことでしょうね。対応策としては「会社説明会を増やしたり初任給の引き上げたり」しているとのことですけれど、効果は薄いようです。まぁ日本企業のやる「初任給の引き上げ」なんて誤差のようなものですし、引き上げる前の大元が低すぎるわけでもあります。中国ファーウェイの日本向け求人は大卒初任給が月40万超で話題を攫いましたが、こうしたグローバル企業の足下にも及ばない低賃金を続けている限り、微々たる賃上げで人材確保など出来るはずがありません。

 「専門的な知識や技術を持つ正社員が不足している」「専門的な人材の不足が顕著になっている」とも、報道されています。それが求人情勢に反映されているか、この辺もまた幾分か疑わしくもありますけれど、本当に専門人材が不足しているのなら、対応策として何が必要になるのでしょうか。金満クラブなら、高年俸を餌に他球団から有力選手を引き抜いてくるのが当然の経営努力になります。では、資金力のないチーム、あるいは資金を使いたがらない日本企業には何が出来るのでしょう。

 ヨソから選手を取ってこない(取れない)チームが成功するには、自前での育成しかありません。組織を牽引してくれるような逸材が空から降ってくることは未来永劫ないわけで、そこは時間と労力を費やし人を育てていくしかないのです。しかし、この育成に失敗を続けてきた結果として今の日本企業の惨状があるのかも知れませんね。目先の勝利/利益を言い訳にして若手に機会を与えなかった(特定世代の採用を控えてきた)から中堅世代がスカスカになる等々、駄目なチームの典型です。

 人材育成に努めてきた「つもり」の会社は、結構あるとは思います。しかし、育成と言いつつ実際にやることはコンサルタントと称した占い師に、研修と称して新興宗教のまねごとをやらせているだけ、本当に業務で必要な専門知識については組織として教育してこなかった、現場の個人レベルの先輩後輩間の指導に丸投げ(O!J!T!)だった会社も多いのではないでしょうか。私の勤務先なんかも研修機会だけはやたらと多いですが――仕事で使う技能に関しては何一つ教えてもらえない、そんな有様だったりしますし。

 新人採用にしてから、企業が求職者に求めるのは馬鹿の一つ覚えの「コミュニケーション能力」が不動の一位であり続けている限り、大学など高等教育機関による人材の育成も望み薄でしょう。勉強するために勉強する奇特な学生を除けば、どこの国でも「良い会社に入るために」進学するのが普通です。そこで「○○の専門知識を身につけておけば就職に有利/高給取りになれる」とハッキリしていれば、どこの国の学生も自身の将来のために勉強するわけです。

一方で専門知識よりもコミュニケーション能力とやらが問われる日本国では、学生は勉強するよりも面接の練習やエピソードの捏造に励みますし、大学だって「生徒が就職先に困らないように」最良の指導を考えるわけです。自分を粉飾することが上手な若者なら育ちそうですけれど、現環境で専門的な人材が育つのを期待するのは、木に縁りて魚を求むって奴でしょう。

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