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親は何故公立校に入れたがるのか?

受験シーズンも終盤となっています。一方、塾では試験を終え、辞めていく生徒に対して新たに入ってくる生徒さんとの入れ替えシーズンでもあります。1年後に入試を控え「家では勉強しているのに効果が見られない」という理由で塾に通わせる親御さんもいらっしゃいます。

私どもの塾はもともとが「普通の生徒」を対象にしているのですが、「せめて高校までは」と懇願する母親が多いのも事実です。その「せめて」に条件がつく方が思った以上に多いのにびっくりします。「都立(公立)オンリー」という条件です。理由はお金。家庭の懐事情から私立は「絶対無理!」と断言される方もいらっしゃいます。

変な話ですが、ご家庭に金銭的余裕があれば高いお金を払って小学校4-5年ぐらいから中3まで塾通いという方はそれなりにいらっしゃいます。ところが懐事情が厳しいとどうしてもぎりぎりまで塾に通わせてあげられず、ラスト1年とか、場合により半年でどうにかしてくれ、という親御さんもいらっしゃいます。その場合、既になかなか頭が痛い状態に陥ってしまっている生徒さんという傾向は見て取れます。

いくら塾がビジネスとして「できる子」を作ろうとしてもそれまでにしみついた生活スタイルや勉強スタイルを突然変えるのは至難の業であります。中には塾を転々と移り変わる人もいますが、変われるほどの経済的余裕がない子弟もいらっしゃるのが実情で「藁にもすがる思い」を感じ取ることもあります。

日本の教育はとにかくカネがかかります。先日、受験生を持つ父親らと居酒屋で飲み交わしていた際、「いや、明日20万円捨てに行くんですよ!」と。よく聞けば第三志望の高校に受かったので明日までに入学金等を払わないとだめだというのです。次に第二志望が受かればそこにもお金を払い、最後、第一志望に受かれば、ようやく、身になるお金を払うことになるというのです。

実はまったく同じ経験を私自身が何十年か前にしました。5つ受けて初っ端の滑り止めは特待生扱いになったため、逆に絶対的保険となり、入学金を払います。第4、第3希望は合格したもののお金を払わず、第2は有名大学付属高校だったのでお金を払い、受からないだろうと期待していなかった第1希望も合格し、結局だいぶお金をばら撒く結果となりました。これも一人っ子故にできた技かもしれず、少子化の本当の理由はこんなところにもあるのかもしれません。

ところで最近のニュースで東京都中央区の公立小学校の制服がアルマーニ監修で一人当たり8-9万円の負担になるとか。(多分、夏冬物の合計金額だと思います。)それまでの制服から負担額は2.5倍に増えるというのですからたまったものではありません。だいたい、なぜ、公立小学校に制服が、と思うのですが、その小学校では強制ではないものの多くの生徒がそれを着ているとされます。想像ですが、制服にした方が私服代がかからなくてよいという見方もあります。それにしてもアルマーニにしなくても良いと思うのですが。(それと小学生の体格はどんどん変わるのですから卒業するまでに何着いるのだろうか、と思います。)

大学受験も同じ仕組みで多くの大学では「受験料稼ぎ」が横行しています。総合大学ですとこの受験料収入は大学側にとって億単位になりますからウハウハでしょう。学校経営側からみて「受験生の倍率」が経営指標になる一つの意味合いです。大学理事長が経理部長と赤ワインをくるくる回しながら高級ステーキ屋で「今年もがっぽり稼ぎましたねぇ」と祝杯を挙げるシーンが目に浮かぶようです。

親からすれば入学料に授業料、制服代、海外修学旅行積み立てに教科書から副教材までとにかくカネのかかる話ばかり。更に大学受験のための塾通いがプラスされれば家計が火の車になるのも当たり前です。先ほど居酒屋で飲んでいた話をしましたが、同席していたもう一人は年収が1000万円をゆうに超えるのに「最近カネがなくて…」といいます。子供3人、教育費にめちゃくちゃかかり、飲みに行く店のランクが下がったと。(ちなみにその日は3人が飲んで食べて合計1万円でした。学生コンパ並みです。)

高校や大学が全入時代と言われるのに人気校は高い倍率です。いくら全入とはいえ、何処でもいいわけではありません。希望を叶えるならそれなりに出費を覚悟しなくてはいけないのが日本の性、親の性、教育の性であります。

こんなのはおかしいと思いますが、少子化大臣様、なぜ、こういう現実にもっと目を向けないのでしょうか?教育事業をGDPの一つの柱としているのでしょうか?それは何か違います。アルマーニの制服にあの麻生大臣ですら違和感を示す国会答弁をしていました。こんな教育コストでは親は泣きます。改善が必然です。

では今日はこのぐらいで。

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