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災害には強いが、貧困には弱い

■だが、貧困支援のフェーズでは現在の子ども若者支援NPOは難航している

東日本大震災や熊本地震の後、日本のNPOは地道に支援に入り続けている。子ども若者支援NPO/ソーシャルセクターはその代表で、組織に属するボランティア大学生や若手スタッフたちが積極的に現地に入り、被災者の子どもたちに学習支援等をし続けているようだ。

それは素晴らしい。一部では、いつまでも支援をし続けていると被災者当事者の主体性が育たないという批評もあるようだが、被災者の特に子どもたちが支援を受け大学に入り数年後には故郷において復興の主体者になっている姿を見聞きすると、総合的には自然災害の被害者への学習支援は成功している。

それに対して、貧困支援の中での学習支援は、僕が観察する限りは難航しているようだ。貧困関係の某フォーラムでも、某支援NPOの代表は嘆息していた。災害支援では効果はあるが、貧困支援ではなかなか効果が見つけられない、と。

災害支援のフェーズでは現在の子ども若者支援NPOは結果を出す。だが、貧困支援のフェーズでは現在の子ども若者支援NPOは難航している。それはなぜだろう。

■その、経済的下流層が、有力NPOの広報ソフトに到達しにくい

それは、アウトリーチの困難さの議論と表裏にある。災害当事者の子どもたちとは現在の有力NPOはアウトリーチしやすい。 それに対して、貧困当事者の子どもたちには、「子ども食堂」的リベラル思想を持つ保護者を通してはアウトリーチできるが、真の貧困当事者にはとどかない(そのアウトリーチの難しさの理由についてはこの記事など参照→「当事者」は語れず、「経験者」が代表する~不登校から虐待まで~

それはどうしてだろうか。子ども食堂や学習支援といったリソースを準備したとき、災害支援当事者とはつながることができる。が、貧困当事者にはなかなかつながりにくい。災害被害者は経済階層は関係なく、いろいろな経済階層がそこに含まれる。富裕層・中流層・下流層、まんべんなく地震ほかの被害にあっている。

対して、貧困支援の当事者は経済的下流層に絞り込まれる。その、経済的下流層が、有力NPOの広報ソフトに到達しにくい。あるいは、現代日本のソーシャルセクターが提示する子ども食堂他のリソースとはまったく違う地平でそれら貧困層は生きている。

■それは、かっこ悪い

現代の有力NPO、寡占MPO、「ソーシャル」的希望に燃えている若手スタッフを抱えるNPO、それら代表的NPOが発する空気は、中流層以上には一定の訴求力をもつかもしれないが、経済的アンダークラスに対してはほとんど届かない。

勝手にやれば? 仲間内で楽しみなよ、自分とは違う人達、キラキラしすぎ、坊ちゃん嬢ちゃんの世界だろそれは、みたいな感じで、アンダークラスの若者たちは感じているようだ。

わざわざそんなことは彼女ら彼らは実は語らず、アンダークラス一流の「無視」的態度でそれら坊ちゃん嬢ちゃんを受け流す。そのスルーさは心地よいほどだ。

おもしろいのは、そうした無視のされ方を「ソーシャル」な人々はわからない。わからないかわりに、ミッションだとか資金調達だとか世界平和等、ある種非現実的哲学トークに浸っている。 こうした事態が、「階級社会」なのだと僕は思う。

やつらにあたしたちのことはわからない。あの人たちは私達をどう思っているのだろう。そんなふうに疑問を抱きつつ、結果的には断絶する。その断絶は、ミドル・アッパークラスのほうが気づいていない。勉強できるくせに、ミドル・アッパーのほうがわからない。それは、かっこ悪い。

※Yahoo!ニュースからの転載

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