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「リーマンショック以来の大暴落」の嘘

■「株価」を「体重」で考える

 今週はニューヨークダウの終値が1000ドル以上急落するという場面が2回あり、「リーマンショック以来の大暴落」というような言葉がテレビや新聞等で大きく報道された。ニュース番組でも「リーマンショック以来の下げ幅」ということで危機感を煽るような悲観的なニュースを伝えていた。
 
 確かに朝起きて、ニューヨークダウが1000ドル以上も下がっていると「何があったのか?」とショック症状に見舞われることは理解できるのだが、単純にリーマンショック時と比べるのは間違っている。

 現在のニューヨークダウとリーマンショック時では、株価に2倍以上の開きがあるので、「急落」であることには違いはないが、「暴落」というのは間違っている。正しくは「リーマンショック以来の暴落」ではなく、「リーマンショック以来の急落」と言うべきだった。

 このことは、「株価」というものを「体重」に置き換えて考えると解り易いと思う。
 例えば、体重50kgの人が45kgに減る場合と、体重100kgの人が95kgに減る場合を考えてみると、この両者の減量した体重はどちらも5kgだが、程度は全く違う。今回のニューヨークダウの急落(1日の動き)は、後者の体重100kgの人が95kgになったという状態であり、リーマンショック時の暴落は前者の50kgの人が45kgになったようなものである。

 体重50kgの人が45kgになれば「あなた、痩せましたね」ということになると思うが、体重100kgの人が95kgになっても痩せたということはほとんど分からない。この差を同列に扱うことに違和感を感じた投資家は多いと思う。

■即断即決のトランプ相場

 現状でのニューヨークダウの最高値は26616ドル(現在24190ドル)、日経ダウの最高値が24129円(現在21382円)なので、どちらの相場も短期間で1割程度下げたことになる。かつてトランプ氏が大統領に決まった時は、僅か1日で株価の調整が終了したということがあったが、彼が大統領在任中の株価の調整も極めて短期間で終了ということになるのかもしれない。何ヶ月間もかけてダラダラと株価が1割下がるよりも、10日間で1割下がって調整終了、それがトランプ相場の特徴なのかもしれない。

 マスコミでは、ニューヨークダウの終値だけが話題になる傾向にあり、場中の値動きにはあまり触れないことが多いが、昨晩のニューヨークダウの動きを見てみると、2時前に23360ドルで底値を付けてから、一気に1000ドル騰げており、チャート的には長い下髭を付ける格好になっているので、普通に考えると底を打ったと考える投資家は多いと思う。

 その日のニューヨークダウの終値だけで意見がコロコロ変わるマスコミ報道は、昨日、楽観的なことを話していたのに、わずか一晩で、悲観的な意見に変わるという場合をよく目にする。今回のニューヨークダウの「急落」を「暴落」と伝え、リーマンショックと準えることもまた、大局観を持たないマスコミ報道の特徴だとも言える。

 商品を安く売ってくれる人がいるなら、有り難く買う。
 商品を高く買ってくれる人がいるなら、有り難く売る。

 それが、株式相場での必勝の法則であるはずなのだが、「恐怖感」や「陶酔感」という感情が入るとそれができなくなり、全く逆のことを行うことになってしまう。

 商品を安く買ってくれる人がいるから、有り難く売る。
 商品を高く売ってくれる人がいるから、有り難く買う。

 危機感を煽るマスコミ報道には気を付けよう。

 ※株式投資は自己責任でお願いします。

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