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ネット上の誹謗中傷に有名人が反撃、抑止効果となるか?

 ネット上の誹謗中傷を受ける一方の立場だった有名人が反撃を開始しました。横浜DeNAベイスターズの井納翔一投手が、匿名掲示板に悪口を書き込んだ女性に対して損害賠償を請求したのです。

本人を特定することはいたって簡単


写真:アフロ

 井納選手は、掲示板に「そりゃこのブスが嫁ならキャバクラ行くわ」と書き込んだ女性に対して191万円の損害賠償を請求する訴えを起こしました。

 井納選手の担当弁護士は、この書き込みが誰のものかを確認するため、掲示板管理者に問い合わせを実施。入手したIPアドレスをもとに、プロバイダーに対して個人情報の公開を求めました。今回は、井納選手が情報公開を求めていることを知った女性が、井納選手側に連絡したことで本人が特定されましたが、女性が何もしなくても、本人が特定されていたはずです。

 匿名の掲示板であれば、本人が特定されないと思っている人も多いのですが、現実には誹謗中傷された側がその気になれば、本人を特定することはいたって簡単です。

 ネット上では、「この程度で訴えられるのか」との意見もあるようですが、著名人はこうした誹謗中傷を毎日のように受けています。これまで多くの著名人は、反論すればSNSやブログが炎上して面倒になることや、有名税だとの思いもあって法的な行動を控えてきました。しかし一部の著名人は、限度を超えた誹謗中傷に辟易しており、抑止効果も考えてこうした行動に出たものと思われます。

一般人は、裁判をするだけでも大変な資金が必要

 現実には、名誉毀損で高額の賠償金が命じられるケースは少ないですが、一般の人にとっては、裁判をするだけでも大変な労力と資金が必要となり、日常生活が麻痺してしまいます。今後、著名人が本格的にこうした行為に乗り出してきた場合、相当な抑止効果となるでしょう。

 一部には、言論には言論で対抗すべきだという意見もあるようですが、ネット上の誹謗中傷は匿名を前提に一方的に相手を貶めているだけですから、言論とはいえないものです。

 また、こうした訴訟について、社会的強者が弱者に対して恫喝目的で行うSLAPP(スラップ)に該当するとの意見がネットの一部で見られますが、スラップは政府や大企業が個人に対して行う行為を指しており、名誉を毀損された個人が訴訟を起こすケースは該当しません。またスラップかどうかを判断するのは司法の場ですから、まずは訴訟を起こすというのは法的に正しい手続きといえます。

 ネット上で他人を誹謗中傷している人は、今後は訴訟されるリスクをしっかりと考えた上で書き込みをする必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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