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トランプショックの発生か

サブプライムローン問題が勃発してから11年、それに続くリーマンショックからほぼ10年、その後は小さな波があったものの、アメリカ経済は2009年春を底にゆっくりと上昇を続けてきた。そこに立ち塞がったのがトランプの経済政策である。

トランプは「アメリカ経済をもっと強く」というので、大幅な法人減税法案を通した。多くのアメリカ企業にとっては追い風である。工場をアメリカに回帰させる動き、減税の恩恵を給与に反映させる動きが報じられている。これは経済にとっての追い風のはずだが、世の中、そこまで単純ではない。

過ぎたるは及ばざるがごとし。今回の相場形成では、この言葉がよく似合う。

アメリカの労働市場は完全雇用に近かった。むしろ移民を抑制しようというトランプ政策もあり、潜在的な労働力不足が懸念されていた。そこに大幅な法人減税政策という政策が追加されたものだから、労働力不足になるのではとの不安が一気に表面化した、そう考えていい。

1月の雇用統計で時間当たり賃金が前年同月比プラス2.9%となり、上昇率が加速したことが象徴だと市場関係者はとらえた。つまり、インフレ不安である。インフレは金融引き締め政策につながる。

経済論的に考えても、税制を含む財政政策が景気の過熱を生み出すのなら、金融政策は引き締め気味にして、バランスを取らないといけない。ましてやトランプはインフラ投資も積極化しようとしている。ますます金融引き締めではないのかと、市場関係者が考えても不思議ではない。

昨日のニューヨークダウは、月曜日に続き、1000ドル以上下げた。両日を合わせばショックと表現するのにふさわしくなっている。トランプショックと名付けるのがいいだろう。トランプの財政政策以外、株価を下落させる直接の材料がない。

穏やかな波の上を豪華観光船が楽しく進んでいて、もうじき上等のワインがふるまれようとしていたのに、高速艇が後ろから突っ込んできて荒波を立てた。そういう風景だろう。少なくとも、しばらく荒波は収まりそうにない。

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