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焦点:日本株は主要国最弱に転落、円高懸念も再浮上

[東京 6日 ロイター] - 日本株が世界最弱クラスに落ち込んでいる。日経平均<.N225>は連日の急落で年初からの下落率は5%を突破。現地通貨ベースでみて主要国では最大級の下げだ。流動性が高く売りの対象になりやすい面もあるが、世界的な株安が深刻化する中で、外需減速の懸念も浮上。「世界の景気敏感株」という位置付けが裏目に出ている。

<足元の企業業績は好調>

足元の企業業績にまだ陰りはみられない。6日に第3・四半期決算を発表したトヨタ自動車<7203.T>も今期(2018年3月期)予想を上方修正した。SMBC日興証券の集計によると、2日までに決算発表を行った東証1部上場企業(金融除く)の4─12月期経常利益は前年同期比24.4%増。進ちょく率は85.5%と上振れが期待される水準だ。

バリュエーションも低い。日経平均の予想EPS(1株利益)は5日時点で約1568円。決算シーズンスタートとなった1月23日から約2.7%の増加だ。EPSが上昇し株価が下落した結果、日経平均の予想PER(株価収益率)は6日時点で13倍台後半まで下落したとみられている。

しかし、日本株のパフォーマンスは連日の大幅安で急速に悪化。年初来のアジア主要国の株価(現地通貨ベース)でみて最も下落率が大きいのは日経平均の5.07%。欧米は5日までのデータだが、日経平均を超える下げはデンマークやカナダなどしかない。

「東京株式市場は流動性が高く、HFT(超高速取引)などのメイン市場となっている」(外資系証券のHFT担当者)とされ、株価急落の際には売りが集中しやすい。業績拡大期待が強いなら、株急落局面では相対的に落ち込みが小さくてもよいはずだが、足元の市場での動きは異なる。

<来期を見始めた市場>

株価がさえない日本の好業績銘柄も目立ってきた。市場予想を上回る業績見通しを発表したファナック<6954.T>や信越化学工業<4063.T>は、初期反応こそ良かったが、その後急落。発表日(1月26日)から6日までファナックが9.3%安、信越化学が10.9%安と、同期間の日経平均の8.5%よりも大きい下落率となっている。任天堂などのパフォーマンスも日経平均より悪い。

それまでの株価パフォーマンスがよかったために、利益確定売りの対象になりやすい面もある。しかし、投資家の視線は、もはや今期ではなく来期に移っており、その来期の業績に警戒感が強まっていることが日本株の売り要因になっているという。

「(株価は)短期のセンチメントに振らされている部分もあるが、今期は良いとして、来期に向けて買う理由を見いだせない銘柄もある」とベイビュー・アセット・マネジメントのファンド・マネージャー、谷川崇人氏は指摘する。

今期の日本企業の企業業績を押し上げたのは、中国や米国などの海外需要だ。しかし、「米消費は株高による資産効果で押し上げられている可能性がある。株安で逆回転が起きれば経済に悪影響が及びそうだ」とBNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎氏は懸念する。

<円高懸念も再浮上>

日本株についてまわる円高懸念も再び浮上してきた。ドル/円<JPY=>は株式市場と比べると、比較的反応は穏やかだが、12月日銀短観における大企業・製造業の想定為替レート(下期1ドル109.66円)を下回る水準にある。

JPモルガン証券・チーフ株式ストラテジストの阪上亮太氏は「日本企業の来期の会社計画の対ドル前提レートが105円程度なら、微増益にとどまる可能性もある」とみる。

海外投資家はすでに売り越しに転じており、1月2─4週の累計(現物と先物の合計)で2兆円近くに達している。2017年からのトータルでみれば、まだ6000億円程度の買い越しだが、2月に入っての急落で売り越しに転じた可能性は大きい。日銀は連日、ETF(上場投資信託)買いを入れているが、「落ちるナイフ」を止めるのは難しい状況だ。

世界の「景気敏感株」として世界同時好況を享受してきた日本株だが、ミョウジョウ・アセット・マネジメントCEOの菊池真氏は、足元の株安が半年先の景気減速を織り込んでいるとすれば「景気敏感業種のウェートが高い日本株は米国株より下げ幅が大きくなってしかるべき」と話している。

(長田善行 編集:伊賀大記)

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