石破 茂 です。
金正日総書記の死亡自体については、さしたる驚きはありません。
既に当日午前十時過ぎに、北朝鮮中央放送が正午に重大発表を行う、との情報が入っており、恐らく金正日総書記が死亡したのだろうなとの推測はしていました。
問題は、後継者である金正恩なる人物が体制を掌握できるか否かの一点につきます。
推定28歳と若いこと、金日成から金正日への移行時に比べて期間が極めて短いこと、前回と比べて北朝鮮国内の疲弊が相当に進み、国民の不満が鬱積していると推定されることなどから考えて、常識的には体制掌握はかなり困難であると思われます。クーデター、暴動などが発生して国内が大混乱に陥るか、そうなる前に金正恩が冒険主義的な行動に出るか、いずれにせよ何が突然起こっても不思議ではない緊迫した状況が続くものと考えられ、日本としてあらゆる事態を想定し、これに備えておかなくてはなりません。
このように書くのは簡単ですが、実際は絶望的な状況です。
正午に重大発表があるとの情報が事前に伝えられていたにもかかわらず、野田総理は新橋駅頭での街頭演説に向かうべく官邸を出発していた、というのは一体どういうことなのか。総理や政治家の補佐官たちに経験がないのは百歩を譲って仕方がないとしても、危機管理監や安全保障担当の官房副長官補などの官僚たちは何故誰も総理の出発を止めなかったのか。
山岡国家公安委員長兼拉致問題担当相、という本問題に関して最も関係のある職にある大臣に至っては、平日であるというのに地元栃木県の後援会関係者の行事に秘書官もつけずに政務出張、事前の情報も一切伝えられず、事態を知ったのは発表後の正午6分過ぎ、慌てて宇都宮から新幹線に乗ったものの、総理官邸に入った時には安全保障会議は終了していたというお粗末ぶり。
この国の危機管理体制は一体どうなっているのか。
次期戦闘機F-XがF-35に決定したということも、甚だ理解に苦しみます。
多用途戦闘機とはいえ、隠密理の対地攻撃に力点を置いて開発されたF-35がなぜ日本の防空戦闘機として相応しいのか、私には理解が出来ません。「極めて優れた戦闘機」といいますが、「何に優れているのか」が問題です。まだ開発段階といってもいい状況で、カタログデータだけで判断し、内容に不備があったらどのように手当てするのか、納期が遅れたら一体どうするのか、我が国の防衛産業はどのような体制になるのか、疑問は尽きませんが、これについてはまた回を改めて論じたいと思います。
大臣を補佐する官僚たちが民主党政府に対する信頼を完全になくしている、との指摘もありますが、それならそれできわめて由々しきことです。
この期に及んでなお、山岡氏や一川氏を適材適所として留任させるのなら、もはや野田総理自身の資質を疑う他はありません。
来年こそ政権再選択の年としなくてはなりません。自民党こそが問われている、と改めて痛感した一週間でした。
週末は珍しく地方出張も無く、地元に帰って忘年会をはじめとする諸行事に出来る限り出席する予定です。
三連休の方もおられるのでしょう。寒波も襲来しており、お風邪など召しませんようお過ごしくださいませ。
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自民党所属。防衛オタクなどと呼ばれることもある、防衛政策通