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【法律相談】妻が食事を作らないという理由で離婚できるか?


【妻が料理を作ってくれない夫はどうする】

 夫婦が離婚に至るには様々な理由があるはずだが、「妻が食事を作ってくれない」という理由だけで離婚できるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 結婚して2年目です。新婚当時、妻が作った食事に「味が濃い」と指摘すると大激怒され、「私は二度と食事を作りません」といわれました。それ以来、本当に妻は食事を作らないのです。離婚成立に至る条件は、この連載で知ってはいますが、「ご飯を作ってくれない」というのも離婚の条件になりますか。

【回答】
 この相談コーナーをご覧になっているのであれば協議離婚や調停離婚ができない場合、民法が定める離婚事由を裁判所に認めてもらえない限り、離婚は無理であることはおわかりですね。

 離婚事由は不貞行為、悪意の遺棄、三年以上の生死不明、回復見込みのない強度の精神病の罹患、婚姻を継続し難い重大な事由(重大事由)です。となると、ご質問は料理調理拒否が最後の重大事由に当たるかの問題となります。

 重大事由は婚姻関係が破綻し、回復見込みがないと判断される場合です。認められるためには本人の意思もさることながら、家庭生活の実情、子供の有無や年齢、収入・職業その他一切の事情を考えて、普通の人であれば離婚やむなしといえる状態になっていることが必要です。

 きっかけが何であろうと、こうした破綻状態になっていれば離婚は認められるはずですが、通常、破綻の原因として見られる事情は暴力や虐待、勤労意欲の欠如、浪費、犯罪、性的異常、性交拒否など。ほかにも性格の不一致、義理の親との軋轢があります。

 大抵はこうした事情が重複し、別居するなどの家庭の実態が失われてしまっていることがほとんどで、納得できる場合です。もし、奥さんの料理拒否がきっかけで互いの愛情が失われ、その結果、別居しているといったような場合には離婚事由を認めてもらえる可能性はないとはいえません。

 しかし、同居しており、奥さんが料理以外の家事をしているような場合は疑問です。専業主婦を前提とする結婚であっても、食事は奥さんの手料理でなければ困るということではありません。そもそも結婚はコックを雇うことではないのです。家事の分担を考え、時間をかけて奥さんの気持ちを解きほぐすべきであると思います。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2018年2月16日・23日号

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