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若者たちを仮想通貨取引に駆り立てる社会の歪み

昼飯時に、普段投資などにほとんど関心を示さない奥様が一言。

「仮想通貨で何億も儲けた若い人たちが沢山いるんだってね」

どうやら仮想通貨で儲かった若者たちを取り上げたバラエティー番組を見たのが原因。昼飯を食べながら奥様が録画していたその番組をみたところ、やっぱり仮想通貨を取り扱っている企業がスポンサー。

番組内では「億り人」「自由億人」など仮想通貨で大もうけした若者が紹介され、スポンサー企業の仮想通貨取引きアプリまで映し出され、さり気なく仮想通貨取引が簡単にできることがアピールされていた。

少し前に26歳の次男と二人で食事をした時にも、次男から仮想通貨に関する質問を受けた。次男の周りにも仮想通貨をやっている友人が結構いるらしい。仮想通貨について仕組みや問題点、金融的な限界を説明したが「難しくてよくわらん」。

仕組や金融的な価値、問題点が「難しくてよくわからん」でも、仮想通貨の売買はスマホがあれば「小学生でもできる」。ここが仮想通貨ビジネスを行う業者の利益の源泉。その利益を提供しているのは「難しくてよくわからん」といっている人達。

持てる者がより金持ちになり、持たざる者が這い上がるのが極めて難しくなった現在、若者たちが「持てる者」になるには仮想通貨などが手っ取り早い。年を取るまでこつこつまじめに働いても「持てる者」になる可能性はほとんどないし、こつこつまじめに働く場所を得られるかも定かでないという現状が、若者たちを仮想通貨取引に駆り立てているのかもしれないと思うと、何とも言えない危機感を抱いてしまう。

日本は昨年世界に先駆けて改正資金決済法施行により仮想通貨取扱業者を登録制にした。それによって仮想通貨が奪われたコインチェックに対する業務改善命令も立ち入り検査も行えるようになっている。

業者の登録制の必要性を衆議院議員に働きかけて改正資金決済法施行への足掛かりを作ったのはパパなんだよ、と話しても奥様も次男もほとんど関心を示さず。

むしろ、そこまで仮想通貨に関する知識を持っているのに何故パパは「億り人」「自由億人」にならなかったのかという疑問の方が強いようだ。

「投資」は経済にとってとても重要な要素だ。「投資」がなければ経済は発展しない。しかし、若い人たちにとって「格差社会」を突破する唯一の手段が高いレバレッジをかけた仮想通貨やFXなどの「取引」になってしまっているのだとしたら、それは大きな問題、歪んだ社会だと言わざるを得ない。

「貯蓄から投資へ」と繰り返して「投資」という仮面を被った「取引」に誘うだけでなく、「投資」と「取引」の違いや「投資」の社会的重要性を理解させることが重要だ。若者たちに「投資」という仮面を被った「取引」以外にも這い上がるルートがあることを示せる社会を目指して貰いたいものだ。

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