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<TBS「NEWSな2人」>政治家が出演するバラエティ番組の裏側

水野ゆうき[千葉県議会議員]

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1月19日と26日の2週にわたり、TBSのバラエティ番組「NEWSな2人」に『女性議員』として出演した。出演者の中で唯一の県議会議員であった筆者の密着や恋愛話を取り上げる番組構成になっていたこともあり、多くの方に視聴していただき、リアクションがあった。

政治家としてバラエティ番組に出た後に支援者や地元の方々に聞かれる最も多いご意見の一つが、「政治家が出演している楽屋はどんな感じなの?」というものだ。確かに、政治家が複数出るようなバラエティ系の番組の楽屋・・・政治的に敵対する場合もあるので、普通の人は想像さえできないだろう。

筆者も市議の頃はニュース番組に声がかかることが多かった。もちろん、そういう時は自分の政治家としての専門性を活かした自分の意見を視聴者に分かりやすく説明する・・・といった役回りである。学者や政治家が文化人・公人としてマスコミに登場する典型的なパターンだ。例えば、テレビの報道局出身である筆者の場合は、メディアと政治に関する話題である。その専門性からか、他に並ぶような政治家もいないため、複数の政治家が楽屋に集合するといった状態にはならない。

しかし、県議に当選をしてから状況は変わった。なぜかバラエティ番組に呼ばれることが一気に増えたのだ。昨今、政務活動費の不正問題や視察のどんちゃん騒ぎ騒動などで都議や県議が注目を浴びるようになり、報道番組以外でもキャラクターの濃い地方議員がバラエティ番組に出演するようになったのだろう。

【参考】<あるある晩餐会>美人過ぎない議員・水野ゆうきが女性政治家の内情を暴露

筆者はかつて報道番組を担当していたとはいえ、バラエティ番組に関しては何も知らない。むしろ最近、政治家としてバラエティ番組に出演するようになって初めて「バラエティの番組の裏側」を知るようになった。

例えば、情報番組や報道番組のゲスト解説のように、特定の専門だけを、与えられた時間内で説明したりコメントするというのであれば、特別な話術は必要ない。しかし、バラエティ番組、それもトーク番組となると話は別だ。

そこには特別な面白さや想定外な芸能人とのやり取りが求められ、それに機敏に反応しなければならない。ただ美人なだけの女優やイケメン俳優が、必ずしもバラエティで活躍しているわけではないことと同様に、見た目以上にリアクション能力、話術などが極めて重要になる。

これは芸能人でもそうであろうが、多くの出演者がいても、結局はメインになる人物が出来、逆に全くテレビに映らないような人もでてくる。同じ時間だけスタジオにいるにも関わらず、写っている時間は1割以下、などという場合も珍しくない。

もちろん、すべてのテレビ番組がそうであるわけではない。例えば、報道番組に関して言えば、出演させる政治家が複数いる場合、バランスよく放送しなければならない。報道番組は必ずその規定を守らなければならず、筆者が番組を担当していた時も、自民党、公明党、共産党、民主党(当時)等、それぞれ平等の持ち時間で議論をしてもらうのを鉄則としていた。その出演政治家の話がいかにつまらなくても、意味がなくても、である。

しかし、バラエティはそうではない、ということを最近ひしひしと感じている。バラエティ番組とは「いかに面白いか」ということがひたすら問われているからである。つまらない人は、それがどんなに偉い人であってもどんどん切られる。

では、どんな政治家がつまらないのだろうか。具体的に言えば、どんな政治家が編集でカットされてしまうのだろうか。

この答えは簡単だ。多くの政治家は、何かしらの政党・政治団体に属している。そのために、発言内容には多くの規制がされるそうなのだ。政党所属の議員として言ってはいけないことは当然あり、時に台本チェックもあるという。

ディレクターとの事前打合せでも、「これは言えない」「このテーマについては言うなと言われている」など、多くの箇所で「上」にうかがいを立てないといけない、という出演者もいると聞いた。そうなえると、自ずと刺激のない=おもしろくない発言になってしまう。つまらない番組になることが想定できてしまうディレクターや制作スタッフなど、番組側が頭を悩ませている場面に幾度となく遭遇している。

一方で、こういった番組の時は、筆者に多くの時間を割いてもらえることが多いことに気がついた。非常にありがたいことだが、それにも理由がある。まず、政党所属の議員たちが、多くの制約によって、発言に規制がかかっているのに対し、これまで政党(地域政党含)や組織に一度も属したことのない無所属の筆者は、自分の発言に対して一切規制がなく、いつも通りのありのままを話せるからである。

政治家以外の知人たちと食事をしながら話しているような「本音」もそのまま言える。仮に失言があったとしても、それは筆者個人の問題であり、筆者が批判されれば良いだけの話だ。誰に気を使う必要もなく、好きに発言ができる。時に、「そんなことまで言いますか!」と驚かれることもあるが、それが筆者の日常であり、特別に隠すようなことはない。

【参考】<早稲田祭で上西小百合が撃沈>講演会の講師としても厳しい洗礼?

それ以外にも政治家バラエティがつまらなくなる理由はある。

政治家というのはなぜだか概してプライドが高く、言えない割に台本やOAを見て「私、これだけ?」と局側に訴える政治家も少なくない。真面目な素晴らしい内容を長々とバラエティ番組で発言をしたとしても番組的に数字がとれない、というのがテレビ局の本音だ。

憲法や外交などという旬な一つのテーマでとことん議論しあう報道番組とは異なり、政治家のご機嫌を損ねないように進める局及び番組ディレクターの手腕には感服する。

というのも、楽屋内でも穏やかな空気が流れているわけではない。これまで複数の番組に出演させていただいているが、楽屋での裏の顔に驚いた政治家は何人もいる。面白くないため、ほとんど画面に映らないにも関わらず、ヘアメイクに延々と注文をつけて異様に時間をかける女性政治家もいる。

そういう人に限って、ほとんど映っていない番組を見て、逆ギレをしてディレクターにクレームを入れたり、なぜかよく映る筆者のような出演者を逆恨みしたりする。

もちろん、バラエティの編集方針は「面白いか、否か」である。出演政治家の主張などあまり考慮されない。放送後に出演者たちが急いで自身のSNSでフォローしたり、火消しに躍起になっている場面をよく見かける。

例えば、筆者がかつて政務活動費の不正利用疑惑にメディアで疑問を呈したことのある某地方議員がいるのだが、その人は先日の「NEWSな2人」での共演者だった。その時も、「政務活動費を追及している水野とそれに反するような政治家がなぜ共演しているのか?」という指摘は少なくなかった。

この議員とはおおさか維新の会の女性市議なのだが、実は彼女は番組内において、当時問題となった政務活動費での高級車レクサスの購入(=不正利用)の経緯について説明をしていた。番組内でもこの問題について謝罪をし、それについて筆者は指摘をしている(政務活動費では車のリースは可能でも、購入すること自体がNG)。

しかし、彼女の弁明・謝罪のやりとりの部分は一切放送されなかった。もちろん、番組内で彼女に対して指摘をしたにも関わらず放送されなかった筆者でさえ、否定的な受け止められ方をする要素が十分にあったわけだ。

かつて番組制作側で働いていた筆者としては一部を切り取られないように言い方には気を付け、節度を厳重に守っているが、今回、2週にわたって地方議員を特集した「NEWSな2人」(TBS系)で天晴だったのは元国会議員の杉村太蔵氏だった。

出演者の発言が変に誤解されないように必ずフォローに入り、さらには面白さも兼ね備えているトークに多くの政治家が救われている。また杉村氏の部分をしっかりと放送に入れる番組側もある意味、テレビ慣れしていない政治家を救っている。しかし、政治家も出演をOKしたからには、共演者や発言含めすべてを織り込み済みで出演をOKしなくてはならないと思う。

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