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「教育YouTuber」「勉強のインスタ」…子どもたちの間でスマホ学習が当たり前の時代に

 スマートフォンを所持している中高生が90%以上に上るというデータもある昨今、子どもたちの間でスマホを使った学習も当たり前のものになりつつあるという。わからない問題をスマホで検索したり、動画サイトやアプリを使ったりして勉強している子どもたちが多いというデータもある。



 スマホ学習を支援するアプリも多数リリースされており、2012年3月に登場した「Studyplus」は学習の習慣づけを支援するもので、累計260万人の利用者がおり高校3年生の3人に1人が利用しているという。

 また、ノート共有アプリ「Clear」は、画面上でノートの貸し借りができるアプリだ。これも国内利用者は120万人に上り"勉強のインスタ"とも言われているのだという。

 31日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、そんな「スマホ学習」の一つ、授業の動画配信の最前線を取材した。



■生徒たちがリアルに集まり、合宿も実施!「教育YouTuber」とは

 画面の中の生徒に向け、数学を教える男性。"教育YouTuber"として知られる葉一氏(31)だ。主に小学生から高校生を対象にした理系の授業をYouTubeで無料公開し、まもなく6年目を迎える。授業内容はもちろん、生徒のリクエストに応えて歌ったり、髪を染めたりする身近さも人気で、制作した動画は2500本以上、再生回数は合計1億回を超えた。今や広告収入が家計の7〜8割を占めているという。

 東京学芸大学出身で塾講師の経験を持つ葉一氏。「所得格差があるのは仕方ないが、それが子どもたちの教育の差に繋がってしまうのかと思い、元々好きだったYouTubeで勉強動画を配信したら面白いというか、役に立てるかなと思った」と話す。

 こうした教育YouTuberの中には、動画配信の枠組みから飛び出す人もいる。

 京都大学出身の篠原好氏は、主に大学受験生向けの授業を無料配信してきたが、有料での個別指導も行っている。指導は月4回で、料金は時間に応じ3〜5万円だ。指導はスマホが中心で、長野市の自宅にいながら九州の受験生も指導する。生徒がわからないところをすぐにスマホで撮影し、LINEで送信するのだ。

 20人ほどの教え子がいる篠原氏の個別指導は広がりを見せる。昨年12月下旬、篠原氏の元に東北、関西、四国など全国各地から受験生が集まった。目的はセンター入試直前の年越し合宿だ。参加した受験生は、「本人に会って、自分の成長に繋げられたらなと」「一人だと勉強が進まないので、他の人からの刺激でもっと頑張れるようにしたい」と意気込む。

 多くの生徒が篠原氏と初対面という不思議な状況の中、篠原氏は事前の情報をもとに組み立てた専用の勉強プランを用意していた。貴重な直接指導の時間。夜遅くまでリアルな「生」授業は続いた。生徒は「すごいオーラを感じた。例えもうまいし、何より説得力があって話が入ってきやすい」と興奮気味。

 スマホを使い、一人でもできる新たなビジネスモデルに手ごたえを感じている様子の篠原氏は「自分が求めるレベルに届く人材はあまりいない状況なので、品質担保の意味でも自分一人の力でどこまでいけるのか試してみたい」と話した。

■有名講師の授業が無料で!Z会が買収した教育ベンチャー

 東京・四谷にある学習塾「アオイゼミ」では、2013年からスマホ向けアプリを通じ、こうした有名講師の生配信授業を無料で提供してきた。現在、会員数は40万人に上り、過去の授業の視聴やテキストのダウンロードなどを有料にすることで、収益を上げている。

 同社社長の石井貴基氏の前職はファイナンシャルプランナーだ。「いろんな世帯の家計を見て来た中で共通していたのが、子どもの教育費用が負担になっているということ。親には教育を受けさせたいという気持ちはある一報、経済的に難しいという人もいた。そこをインターネットで解決できないかと思い、会社を作った」と話す。

 「講師や教材に投下しているコストは、もしかすると一般の学習塾さんによりもウエイトが高いのではないか。それでもスタジオ一つで全国の数千、数万の生徒さんに授業をお届けできているので、コストは安いと思う」。

 その言葉通り、アオイゼミのホームページには実績豊富な有名講師の名前がズラリと並ぶ。この日に予定されている授業は、夜7時半からの「大学受験生向け英語」。担当の寺島よしき氏は、大手予備校でも教壇に立つ有名講師だ。

 教室を覗いてみると、生徒の姿はなく、巨大なモニターの前に寺島氏がいるだけ。授業開始10分前に配信が始まると、視聴する生徒がコメントを書き込むタイムラインが賑わい始める。全国各地に住む生徒たちが親しげに会話を交わし、回答や講師への質問を書き込める機能も備える、いわば「双方向授業」を受けられる仕組みだ。英語を和訳してタイムライン上に送るよう寺島氏が指示、2分後、送られた答案をもとに問題を解説し始めた。わからない部分があっても積極的に参加するよう呼びかけるなど、生徒たちの反応に気を配りながら50分間の授業を終えた。画面越しのコミュニケーションとはいえ、時に注意することもある。

 生徒からは「近所に進学塾がなかったので、親が見つけてきてくれた。離れていてもコメントで先生とつながれるのがいい」、「わかんないこととか質問すると先生からコメントが返ってきたり、他の生徒さんが返信してくれたりするのがいいところだと思う」と好評だ。

 石井氏は「やはり生徒さんとのコミュニケーションを大切にしている。予備校に先生を慕う生徒さんが集まる状況がオンラインでも再現できているのかなと思う」と話す。

 昨年10月に、Z会グループの傘下となったアオイゼミ。石井氏は「ベンチャーとして頑張ってきて、多くの生徒さんに支持していただいているが、これからさらに価値の高いサービスにしていく上で、同じグループの栄光ゼミナールさんなど、Z会が培ったノウハウを使わせてもらえれば」と今後の展開を語り、「英語の授業は社会人にも見られている。生涯学習にもつながっていくのではないか」と、規模拡大に意欲を見せる。

 教育ジャーナリストの後藤健夫氏は、「韓国では"ムービースター・ティーチャー"呼ばれる、3億円くらい稼ぐ講師もいる。ネットであれば教室という物理的なキャパシティの問題ではなくなり、受講生がどんどん増えていく。ますます予備校は厳しくなっていくのでは」と話した。

(AbemaTV/『AbeaPrime』より)▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

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