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ゴディバの「義理チョコをやめよう」に、”日本”は必要だったのか?

ゴディバがもの申した。「日本は、義理チョコをやめよう。」と。2月に入ったばかりの、日経朝刊だ。これが成功かどうかはわからないが、ネットニュースで「賛否」と見出しになれば、十分な効果だろう。

ゴディバは、いうまでもなく有名な高級ブランドだけれど、「鮮度」という意味ではどうだったのか?店舗はどんどん増えて、モールにもアウトレットはもちろん、昨年は高速道路のサービスエリアにも増えた。

もちろん、稀少性はない。そのあたり、リサーチャーが調査してデータを見れば、いくらでも課題を指摘できるはずである。

久しぶりに話題になった、ベテラン選手。しかし、ブランドはアスリートと違って引退できない。メンテナンスと言うのは、ある意味過酷な塹壕戦でもある。

この広告、僕が気になったのは「日本」という言葉だ。実は、この一言を入れたがために「賛否」を含めて話題になったんだと思っている。

「義理チョコをやめよう」でも、メッセージは成立する。コピーライターは、どんどん短くしていくので、「日本は」を外した案も検討したかもしれない。その方が、素直に入ってくる可能性もある。

でも、あえて「日本」を残した。しかもこのメッセージは、ゴディバジャパンの支社長であるシュシャンという方の私信というかたちになっている。あ、パンダとは関係ない。

でもそれが、癖付けになる。「ここが変だよ」的な匂いがちょっとする。だから、反発もあるかもしれないし、「余計なお世話感」も出るのだろう。

この辺り、日本人の心理を巧みに突いている。個人的には、「日本は」がない方が好きだけど、そんなことは承知の上で作っているのだろう。

賛否を含めて「踊らせる」のが目的だとしたら、プロの仕事としてはこれがいいわけだ。現に僕だってこうして踊らされている。

そして、「日本人は」にしなかったのも、また巧い。もしそうしたら、もっと話がややこしくなった可能性はある。この辺りはデリケートなのだ。

昨年、神社本庁が「私日本人でよかった。」というコピーのポスターを出して、それこそ賛否が沸いた。

外から余計なことは言われたくないけど、少しはいじられたい。「すごい」と言われるのはともかく、無視されるのは嫌だ。

そんな、日本人の心理は相当前から議論されている。『日本人論の方程式』という優れた本があるのだけど、この初出は『日本人は「日本的」か』というタイトルで、1982年に出版された。

大学に入った年だったが、翌年の社会学系の講義でテキストになった。その後も長く読まれている。考えてみれば先見性のある先生だったが、それだけ日本人のメンタリティは変わっていないということか。

「義理チョコ・友チョコ」というカテゴリーで出品販売されている。9粒1350円という商品などは、「それなりの義理チョコ」にはいいということだろうが、まあ現場ってそうだよね。

という感じで、これで今年のバレンタイン商戦のチョコは盛り上がるんじゃないか。

他の会社は、ゴディバに感謝することになるかもしれないね。

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