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おときた氏「批判を恐れずに発信を続けて『政治家の楽しさ』も伝えていきたい」

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ネット選挙運動が解禁され、政治家がブログやSNSで発信をすることは珍しくなくなった。その一方、ネットでの情報発信にはリスクもあり、頻度を保ちつつ、継続することは難しい。そのため、途中で発信をやめてしまう政治家も少なくない。

そんな中にあって、1年365日、毎日ブログを更新し、「ネット上で情報発信を続ける政治家」として先駆者であり続けているのが、昨年のBLOGOS AWARDで金賞を受賞した都議会議員のおときた駿氏だ。同氏に情報発信の重要性と激動の一年となった2017年について聞いた。(取材・文:永田 正行)

情報発信の重要性を再確認した2017年

BLOGOS編集部

―これまでブログで積極的な情報発信を続けてきたおときたさんですが、昨年は苦境に立たされることも多かったのではないでしょうか?

おときた駿氏(以下、おときた):ご存知のように、私は昨年、都民ファーストの会という組織に所属していました。その組織の中で、7月の都議選終了後ぐらいから、かなり厳しい情報統制、言論統制が行われてきました。その結果、ブログに書けることが非常に限定されてしまったのです。

具体的には、原則として党内で議論されていることや、まだ決まっていないこと、あるいは小池都知事の意にそぐわないことは書くなという暗黙のルールが存在し、中には明文化されていたものもありました。

普通の議員なら、そうした状況下であれば、黙っていればよいでしょう。しかし、私のようにブログを書くことを義務としている人間にとっては非常に厳しいことでした。

例えば、「小池都知事が明らかにおかしいな」と思う発言をすると、ネット上では大きな話題になります。そのタイミングで私がそうした話題にまったく触れずに雑談の記事をアップしていたら明らかに不自然に見えてしまう。読者から「逃げているのではないか?」と思われてしまうので、そういった状況下でブログを書き続けるというのは非常に苦しかったですね。

ただ、こうした経験をすることで改めて情報発信の価値に気づくことができたとも思います。

これまで多選を批判していたにもかかわらず、千代田区長選挙では、当時所属していた「都民ファーストの会」の方針として現職候補の応援に回ることになりました。このように、情報発信を続けることによって、過去の発言との矛盾を突かれてしまうというリスクも実感されたのでは?

おときた:過去との整合性については、発信を長く続ければ続けるほど問われることになると実感しました。実際、千代田区長選挙では、「これまで多選批判をしていたので、何故そこに乗っかるんだ」と厳しいご指摘を受けました。

もちろん過去から主義主張が変わらないというのがベストだとは思います。ただ、転向する場合もあるでしょうし、その時は説明責任を問われることになります。私は、考え方を変えた理由や、その時々の選択の理由についてもブログで書かせていただいたつもりです。「今回はベストではないけどベターということで選択した」という説明をさせて頂きましたが、これもそれまで情報発信をしていなければ、なかったことにしたり、言いっぱなしで終わったかもしれません。そうではなく、しっかりと説明責任を果たしていくことは重要だと思います。

政策実現の過程で様々な壁にぶつかり、軌道修正をせざるを得ないことがあるということは、約5年間の政治家生活の中で痛感しました。であれば、「なぜ変わらざる得なくなったのか」を説明しなくてはなりません。考え方が変わった理由や経緯を有権者が観測できるようになっていれば、政治家に対する不信感も少しは和らぐのではないかと思います。その意味でも、情報発信は続けてきてよかったと考えています。

―ネット上ではよく「謝ったら死ぬ病」などという揶揄がありますが、考え方を変わったことを説明したり、謝罪するというのは政治家としては非常に勇気がいることではないでしょうか。

おときた:謝った瞬間に「ならば議員辞職しろ!」の大合唱になりますからね(苦笑)。先程挙げた多選の例もそうですが、考えを改めたなら改めたことをしっかり説明をして、謝罪が必要であれば謝罪をする。その上で、新しい方向に進んでいくことが必要だと思います。

もちろん有権者が政治家の二枚舌を批判することは健全だと思います。ただ「過去はこういう理由で間違っていた」「変えざるを得ないから変わっていくんです」と変化していくことまで、「二枚舌だ」「議員辞職だ」と批判するのは間違っているのではないでしょうか。

政治の世界は100点満点の解答があるわけではありません。状況が変われば正解が変わってくることもありうる。政治家が変わることを許さない有権者ばかりになってしまうと、間違ったまま突き進む政治家をたくさん輩出してしまうことにもなりかねません。

それは民主主義においては良くないことでしょうし、正しい転向や軌道修正を寛容に認める世論を作っていくべきだと思います。

―築地市場の豊洲移転が遅れたことをめぐっては、議員報酬の一部を返上し、豊洲地区の「風評被害対策」を行う活動や団体に寄付することを明らかにしました。政治家の場合、誤った行動をした際の責任の取り方というのは、非常に難しい問題だと思いますが。

おときた:大前提として、政治家の判断の可否については次の選挙で問われることになるというのが、最も一般的な回答だと思っています。法に触れるようなことをすれば別ですが、例えば、不倫をした政治家に対して、「やめろ」と言う声もありますが、私は不倫したことも含めて、その人の政治家としての質を判断する材料にすれば良いと思います。「不倫をするような人間は政治家にふさわしくない」と思えば、次の選挙で落とすというのが正しい民主主義の在り方でしょう。

なので繰り返しになりますが、何らかの政治的な判断を誤った、不道徳なことをしたという場合、その責任は次の選挙で負うというのが原則だと思います。ただ、これは理想論であって、政治家は理想だけでは出来ません。感情と理性のバランスを取って、有権者に納得感を持っていただく必要がある。

そうした考えに基づいて、私は今回、「議員バッジを外すことは出来ないけれども議員報酬を返上させていただきます」という選択をしたということです。

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