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【読書感想】アフター・ビットコイン―仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者―

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アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者


Kindle版もあります。アフター・ビットコイン―仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者―

アフター・ビットコイン―仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者―

内容(「BOOK」データベースより)
ビットコインは「終わった」。ブロックチェーンは「これから本番」。日銀出身の決済システムの第一人者が、ビットコインの崩壊をいち早く予測。ゴールドマン・サックスから三菱東京UFJ銀行、そして各国の中央銀行が繰り広げる次なる覇権争いを鮮やかに描く

それでも気になるビットコイン、というわけで、僕も少し勉強してみよう、と思ったのです。

最初に読んだ、1年半くらい前に出た本(Amazonの読み放題に入っていたもの)では、ビットコインが「未来の通貨」であり、さまざまな取引や海外送金のコストが劇的に安くなることや「ブロックチェーン」と呼ばれるセキュリティ技術が画期的なものであること、発行数が限られていて、希少性が高まっていくことが紹介されていて、「うさんくさい人たちが薦めているのはひっかかるけれど、これはまだまだ値上がりするのではないか?」と思ったんですよ。

仮想通貨の代表格であるビットコインの相場をみていると、すごい右肩上がりのあと、昨年後半に大きく値を下げ、その後は一進一退、という情勢です。

とはいえ、時代は、現金からカード社会の次は、仮想通貨を使うほうに流れていくのではないか、とも思われ、初期に買った人ほどの大儲けはできなくても、いまくらい下がっているときに買って、少しでも上がったタイミングで売れば、小金にはなるのでは……とか考えてもいたのです。

中世オランダのチューリップバブルに似ている、というのも頷けるところがあって、こんな状態がいつまでも続くわけがない、けれど、うまく立ち回れば……

この本の冒頭で、著者はこう述べています。

ビットコインの保有や使い方については、「世界中の利用者が、少しずつコインを保有している」「ネットワークの参加者がみんなでビットコインの仕組みを支えている」「世界中のいろいろな取引所で取引されている」「さまざまな通貨との間で交換されている」「インターネットや実際の店舗で、商品やサービスを購入するために幅広く使われている」といった美しいイメージが流布されています。

しかし、利用の実態を仔細に眺めてみると、必ずしもこうしたイメージ通りの展開とはなっておらず、一部の人が取引の承認作業とそれによる報酬を独占し、また一握りの人が多くのビットコインを保有している構造となっていることが分かります。すそ野の広い参加者が幅広く参加して、皆でビットコインの仕組みを支えていくという当初の理念が必ずしも実現しておらず、仮想通貨の健全なコミュニティ作りがあまりうまくいっていないものと言えるでしょう。

 ビットコインが登場した当初は、金融界においても、衝撃をもって迎えられました。「中央銀行が存在しない通貨」というこれまで考えたこともなかった仕組みが登場したのです。しかも、暗号技術やブロックチェーンの仕組みを使っていて安全性も高く、インターネットを通じてコストもほとんどかからずに世界中に自由に送金を行うことができるというのです。これが普及したら、銀行を通じた送金や決済が不要になり、そのビジネスモデルに大きな影響が出ることが想定されました。

2013~2014年ごろに金融関係の国際会議に出ると、「ビットコインによって何が変わるのか」「銀行業務にどう影響が出るのか」といったことが盛んに討議されました。かなりの危機感を持って議論が行われていたのです。

ところが、2015年頃を境に、国際会議のテーマとして取り上げられることもなくなり、欧米の銀行関係者と話をしても、「ビットコイン」という言葉自体をまったく聞かなくなってしまいました。当時は日本ではビットコインについてまだ盛んに報道されていた時期でしたので、不思議に思って尋ねてみると、「あれはもう終わったものだから」という反応で、まったく相手にしていません。「一部の特殊な人たちが使うマイナーなサービス」として位置づけられており、金融のメインストリームに影響を及ぼすような存在ではないとみられるようになっていたのです。

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