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“はれのひ”振り袖被害の女子大生、篠崎社長の会見に「今も納得出来ない」



■損失金額は総額10億円超か

「お嬢様、ご家族様の一生に一度の成人式を台無しにし、本当に取り返しのつかない事態になってしまったことは代表取締役である私にすべての責任があります。本当に申し訳ございませんでした」。成人式の振袖が消えてから2週間、雲隠れしていた「はれのひ」の篠崎洋一郎社長がようやく公の場に姿を現した。

 篠崎社長は「急激な出店により人件費コストなどが拡大し、平成28年9月期には大幅な赤字となった。その後、新たな融資やリスケジュールのお願い、M&Aの実現に向けての取り組みなど対策を行ってきたが、売上の減少に歯止めがかからず、成人式当日の着付け費用の支払いのめどがたたず、このような事態となった」と、騒動に至るまでの経緯を説明。

同席した同社破産管財人の弁護士によると、騒動による損失金額は3億円以上とみられ、これまでの負債と合わせて総額10億円を超える可能性も出てきたという。


■「わかっていれば頼まなかったのに」

 26日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に生出演した被害者のAさん(20)は1年以上前に同社と契約。着物の購入者にはアフターサービスとして、クリーニングと着付け代が5年間付くという説明を受けていたという。そして成人式当日、前撮りのために手元にあった着物を持って指定された会場を訪れると、そこに「はれのひ」の担当者はいなかったという。

「『前々日くらいに他の着物業者は入ったのに、はれのひさんだけいらっしゃっていません。私たちとしては何もできません』と言われた。途方にくれている方が他にもいた。騒動を聞きつけた、同じフロアにいた別の業者の社長さんが全て対応してくださった。成人式にもギリギリで出られた。本当に運が良かった。このまま誰も表に出てこず、無かったことになるのが怖くて、嫌だった」。
  篠崎社長の会見を見たAさんは「こんな方が社長の会社に頼んでしまったんだなあというのが、率直な感想。もっと早く状況がわかっていれば、頼まなかったのになあと思う。今でも納得は出来てなくて、もっとできることがあったんじゃないかと感じた。前撮りの写真や着物など、まず持っているものを皆さんに返していただきたい」と語った。

■郷原弁護士「立件するのは非常に難しい」

 会見での篠崎社長側の説明は「現金購入を急がせたのはキャンペーンだった」「着物の転売は一切しておらず、今後返却する」「ぎりぎりまで営業を続けた(詐欺や計画倒産ではない)」「粉飾決算ではなくHPの記載ミス」というものだった。

 郷原信郎弁護士は「基本的に破産についての説明の会見で、謝罪でも何でもない。破産手続きが始まってしまえば、社長には弁償などに関する当事者能力がなくなる。預かっていた着物を転売していれば横領罪になるし、こうなると分かっていて注文を受けたとすれば詐欺罪になるが、巧妙にひとつひとつ否定していた。

非常に周到に準備して会見に臨んだ感じがする。本当に融資してくれそうな銀行があったのかなど、調べていけばボロが出るところはあると思うが、事件として立件するのは非常に難しい」と話す。

 「"晴れの日に幸せを提供する"という目的に向かって、従業員は本当に努力していたはず。それに対し、給料が4、5か月もまともに払われていなかった事がポイントだと思う。つまり、まともな経営状態じゃない状況が続いていたということ。だから横浜店の従業員は皆逃げざるを得なかったし、従業員からの指摘を受けて労基署も何度か勧告はしていたようだが、そのまま営業ができてしまっていた。

刑事罰としては50万円以下の罰金ではあるが、賃金不払いというのは立派な犯罪なので、場合によっては身柄拘束してでもきっちり取り調べをした方がいいと思う」。

■消費者保護のための議論を

 会見で「なぜ今まで雲隠れしていたのか」と記者に質問された篠崎社長は「対応に苦慮していて、事の重大さは分かっていたが、どのように対応したらいいかわからず、その時点では弁護士もまだ決まっていなかったので、相談するところもなく、非常に重大なことになっているのは気付いていたが、今日の今日に会見がなってしまって本当にお詫び申し上げます」と釈明。「知人のところにおりまして、隠れるつもりはなかったが、そのように見えたことで世間をお騒がせしたことは非常に申し訳なく思っております」と繰り返し謝罪の言葉を述べた。

 元経産官僚でコンサルタントの宇佐美典也氏は「民事再生という形もあったはずだ。自分のことは諦めて、顧客や商売を守るために身売り先を探すといった努力をすべきだった」と指摘。

 郷原弁護士は「まともな経営状態ではないとわかったら、やめるときにやめなければいけない。そういう意識があれば、成人式当日に着付け会場に出ていって謝るはずだ」と批判。

その上で「横浜市も条例に基づいて事後的に調査に入ったということだが、こういう会社の経営不振の情報を元に、消費者が被害を受けないような策がなかなかとれないのが現状。お金だけじゃなく、一生に一度の機会を失わせてしまったというのがこの問題の大事な点。それだけ重要な債務の履行なのだから、情報を与えないといけないが、一方、情報を与えることで倒産を早めてしまうということもある。そうした点は議論を進めないといけない」と提言した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

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