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みずほFGのトップ交代は“驚きの人事” 坂井氏抜擢の理由に波紋 - 森岡 英樹


会見に臨む佐藤氏と坂井氏(左) ©共同通信社

 みずほフィナンシャルグループ(FG)が15日に発表したトップ人事はサプライズだった。佐藤康博社長の後任に就くのは、みずほ証券社長の坂井辰史氏(58)。金融関係者が語る。

「本命とされていたのは、佐藤氏と同じ日本興業銀行出身の菅野暁FG副社長でした」

 富士銀行、第一勧銀、興銀の3行が合併したみずほは、「One MIZUHO」を目指して、佐藤社長が旧行意識の払拭に力を入れてきた。

「そのため、あえて興銀出身ではない人物を選ぶことも検討されていた。その場合は、富士出身の岡部俊胤FG副社長が有力視されていました。興銀出身の坂井氏は『次の次』と見られていたので、驚きでした」(同前)

 佐藤氏と坂井氏は、旧みずほコーポレート銀行時代を通じて10年以上も一緒に仕事をしてきた関係で、東大時代には文学に傾倒したという共通点もある。

「佐藤氏はショートショートに近い文章を書いて身を立てようと考えていたそうです。坂井氏は『駒場文学』という同人誌に参画していたとか。2人とも村上春樹氏の大ファンです」(同前)

 坂井氏抜擢の理由について、佐藤氏は会見でこう説明した。

「証券と銀行の関係というのはものすごく重要になってくる。証券会社の社長である坂井がグループ全体のトップになるということは、内外ともに大きなメッセージだろう」

 だが、佐藤氏の会見でのこうした発言はみずほ内部で波紋を広げているという。

「佐藤氏には銀行・信託・証券が連携するOne MIZUHO戦略を作り上げたという自負があり、サプライズ人事の坂井氏がいかに社長にふさわしいかを伝えたかったのでしょう。そのため、稼ぎ頭の銀行部門や3本柱の一角・信託にほとんど言及がなかったと、両部門の出身者はボヤいていました。こうした嘆きの声が出るのも、興銀出身者のかつての夢だった『投資銀行』志向がここに来て露になっているからではないかと見られているのです」(みずほ関係者)

 収益力の弱さが指摘されるみずほ。興銀支配でOne MIZUHOとなるのか、それとも薄れつつあった旧行意識が甦るのか。坂井社長の手腕が注目される。

(森岡 英樹)

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