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米政府機関の一部閉鎖による影響は限定的か

 米議会上院では与野党が移民政策をめぐって対立し、新たな暫定予算案が可決されず、1月20日に政府機関が一部閉鎖される事態となった。これはオバマ前政権の2013年10月以来、4年ぶりの事態となる。

 これを受けてニューヨークの「自由の女神像」の公開が一時中止され、国防総省が米軍基地の関係者などに向けて放送しているラジオがサービスを停止するなど影響が出始めていた。また、週明け以降は国の安全や国民生活に直結する業務の担当者らを除いて多くの政府職員が自宅待機を命じられるなど影響が拡大する見通しとなっていた。

 ところが、米議会上院の与野党の幹部は、来月8日までの暫定予算案を可決させることで合意し、20日以降続いていた政府機関の一部閉鎖の解除に向けて前進した。今回はどうやら短期間の政府閉鎖で済みそうな状況となっている。

 米国での予算が成立しないことによる政府機関の閉鎖は過去何度か起きていた。直近では2013年10月にオバマ前政権の医療保険制度改革法(オバマケア)向け支出を巡り、ねじれ状態となっている米国議会で次年度予算が成立せず、与野党の対立が解けないまま、およそ18年ぶりとなる政府機関の一部が閉鎖される事態が発生した。

 この際の16日に及ぶ米政府機関の一部閉鎖による経済への影響については、第4四半期の成長率に対し0.2%から0.8%の影響が及ぶとの予測数値が金融機関などから出ていたが、実際にはそれほどの影響はなかったとの見方がある。当時のWSJが次のように報じていた。

 「閉鎖が米経済に影響するには二つの経路がある。一つは閉鎖が与える直接的影響、自宅待機となった職員に賃金が払われず、国立公園を訪れた観光客が土産物を買うこともなく、製品の輸出が止まり、政府機関で書類が滞ってしまったために不動産取引も完了できない、などだ」(WSJ)

 ところが、実際には賃金は支払われているケースが多く、個人消費に悪影響を与えるほどのものではなかった。国立の博物館の閉鎖などによる影響も同様であろう。むろん消費者が不安を感じて消費を控える恐れもあったが、閉鎖解除後の株価などの動きなどを見る限り、それはあくまで一時的なものであった可能性が高い。WSJは1995、96年に政府機関閉鎖があった時、信頼感は急落したが、実際の消費支出にはほとんど影響しなかったと指摘している。

 今回についても19日の米国市場では、米政府機関閉鎖の可能性が懸念されていたものの米株は買われ、米債はむしろ売られて米10年債利回りは2.66%に上昇していた。もちろん政府機関の一部閉鎖が現実となったことで、その影響が週明け以降大きくなっていくと、株が下落しリスク回避から米国債は買い戻される可能性はあった。しかし、実際にはそれほど長く政府機関の一部閉鎖が続くことも考えづらく、現実にそうなりつつある。市場も過去の動向なども振り返り、それほど大きな動意を見せることはないと思われる。ただし、予想外の事態が発生するとまさにテールリスクとなりうることにも注意しておきたい。

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