記事

なぜ安倍首相は平昌五輪に「行くべきではない」のか

私は、日々、変わっていく“観測報道”に驚いている。韓国で2月9日に始まる平昌冬季五輪開会式への安倍首相の「出席・欠席」問題である。なぜ、日本はこうなんだろう、と。

安倍首相は、平昌五輪開会式に出席してはならない。国会云々ではない。日本の首相たる安倍晋三氏は、日本国民を代表して毅然と「欠席」しなければならない。

五輪を政治利用するのではない。北朝鮮との共同チーム編成など、五輪を政治利用しているのは韓国である。日本は、きちんと選手団も派遣するので、そんな次元には立っていない。現に日本政府の高官は出席する。だが、将来の韓国との真の友好のためにも、安倍首相は行ってはならないだろう。

今年、安倍首相が「欠席の意向」を固めたことを1面トップでスクープしたのは、1月11日付の産経新聞だった。記事にはこう書かれていた。

〈(安倍首相の欠席の理由は)表向きは1月22日に召集予定の通常国会の日程があるためとするが、慰安婦問題の解決を確認した2015年12月の日韓合意をめぐり、文在寅政権が日本政府に新たな措置を求める姿勢を示したことを受けて判断した〉

つまり、首相は、「最終的、かつ不可逆的な解決」で決着した韓国との慰安婦合意が反故(ほご)にされたことで、平昌五輪開会式への出席を取りやめることを決断したのだ。当然の判断だろう。安倍首相欠席の意味を韓国の国民がどう受け止めるのか、それは韓国側の問題である。

しかし、その首相の決断をさまざまな人々が覆そうとしている。日本という国の不思議さは、そこにある。踏まれても、蹴られても、それを乗り越えて「相手にすり寄る姿勢」である。日本外交の基本は、「どこまでも ついていきます 下駄の雪」という都々逸(どどいつ)に歌われた姿勢に最もあらわれている。

現在の安倍政権を除き、日本は、ひたすら「中国と韓国」の意向に寄り添ってきた。どれだけいわれなき批判を受けようと、国旗を焼かれようと、史実に基づかない非難を受けようと、ただ、黙って「友好」のために口を噤(つぐ)んできた。

中国の場合でいえば、中国が天安門事件(1989年の六・四事件)で世界中から制裁を受け、孤立を深めていたとき、これに「手を差し伸べ」て、「立ち直らせた」のは日本である。

中国は、国際社会からの非難がつづく中、1992年2月に、悪名高きあの「領海法」を一方的に制定し、中国の赤い舌と呼ばれる「九段線」を設定した。

これによって、東シナ海、南シナ海のほとんどの島嶼(とうしょ)を「自国のものである」と言い始めたのだ。もちろん、尖閣諸島(中国名:釣魚島)も、このときから「中国領」とされた。

しかし、日本はこの時、国際社会が唖然とする信じられない行動に出た。当時、駐中国大使だった橋本恕氏が中国の国際的孤立を打破するために精力的に動き、多くの日本の親中派の政治家・官僚を動かし、領海法の制定発布8か月後の1992年10月に、なんと、「天皇訪中」を実現するのである。

当時の宮沢喜一首相、加藤紘一官房長官、小和田恒外務事務次官、橋本恕・駐中国大使の罪は測り知れない。日本の領土である尖閣諸島まで「自分たちのもの」と主張し始めた中国に、いわば国際社会復帰への“お墨付き”を与えたのだ。

中国の民主活動家たち、いや、中国を脱出し、世界中で人権活動をおこなっている中国の人々が、今も「日本だけは許せない」と憤る理由はそこにある。そして、問題は、これによって果たして中国と日本は真の友好関係を結べただろうか、ということである。

「特定アジア」という言葉がある。反日感情が極めて強い中国と韓国、そして北朝鮮を指す言葉である。「特亜三か国」とも言う。特に、中国と韓国は、いずれも慰安婦の「強制連行」という史実に基づかない虚偽をもとに日本と日本人の名誉を貶めつづけている。

「女子挺身隊」を慰安婦と思い込んで報道した朝日新聞と、それを鵜呑みにした韓国の人々が、国家総動員体制下で軍需工場等で働いた14歳以上の「女子挺身隊」を慰安婦と混同し、世界中に「少女像」を建てまくっているのは周知のとおりである。これは「あり得ない喜劇」として、いつか国際社会に認識される日も来るだろう。

しかし、相手がどんなことをやろうと、日本は安倍政権が誕生するまで“微笑外交”をつづけてきた。今回もまた、平昌五輪開会式への安倍首相の「出席」を求める声が政界とマスコミの間に澎湃(ほうはい)と湧き起こっている。

日韓議員連盟という、うわべの「友好」と「利権」に群がった超党派の議員懇談会のメンバーが必死に安倍首相の出席を促しているのである。彼らこそ、韓国との「通貨スワップ」を復活させろという主張をおこなっている元凶でもある。

中国や韓国に日本が毅然とした姿勢を示したことは殆どなく、そのために「日本には強く出ても大丈夫」と舐められ、「真の友好」から逆に遠ざかって来た“愚”が、またくり返されるのだろうか。

そんなことは「二度とくり返さない」、そして、日本は毅然として「是は是、非は非」という姿勢を貫くことを国際社会に示すために、安倍首相は、絶対に「平昌に行ってはならない」のである。

あわせて読みたい

「平昌五輪」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    石破氏との討論拒否する安倍首相

    猪野 亨

  2. 2

    迷走続ける立民 最低の支持率に

    WEB第三文明

  3. 3

    政治には期待薄な満員電車の解消

    LM-7

  4. 4

    若者の性交離れ 女子に顕著傾向

    NEWSポストセブン

  5. 5

    人体標本が物議 遺体はどこから?

    木村正人

  6. 6

    税金垂れ流しJR北海道は合併せよ

    中田宏

  7. 7

    安倍首相 皇太子さまの人脈懸念?

    NEWSポストセブン

  8. 8

    夏時間の推進派を沈黙させる一文

    早川忠孝

  9. 9

    左翼に理解も 若き愛国者の訴え

    AbemaTIMES

  10. 10

    よしのり氏 2歳児発見の男性凄い

    小林よしのり

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。