読売新聞WEB(中央オンライン)教養講座にて、大杉謙一教授(中央大学法科大学院)が
「会社法で企業不祥事は防げるか」と題する論稿を出されており、当ブログをご紹介いただいております。先日の日経新聞「経済教室」の論稿に続き、大杉先生の建設的なご意見が書かれておりますので、今後の意見形成の参考にさせていただきたいと思います。また、久々の更新となりました
活字フェチ弁護士さんのブログ記事も「おお、このフレーズ、どっかで使いたくなる」と思える内容満載でして、こちらも参考になります。
私自身は、まだ(執拗に)12月6日リリースに係るオリンパス第三者委員会報告書を眺めております。いろいろな箇所に過剰反応してしまい(笑)、遅々として進みません。社外協力者やモニタリング不全の中心とされる監査役会、監査法人に焦点があてられることの多い当報告書でありますが、
委員より、オリンパス社の法務部の対応にも「問題があった」と指摘されていることは、あまり話題になっておりません(報告書158頁。このあたりは、一般の方にはあまり関心が高い部分ではない、ということなのでしょうか)。
オリンパス社による国内3社及びジャイラス社の買収(2008年)にあたっては、本来オリンパス社の法務部が主導して買収監査を行うべきであったところ、これが全く実施されなかったとされています。オリンパス社の法務部の業務内容は、業務執行行為の適法性の検討や、契約書の内容検討、ということであるにもかかわらず、監査役会と連動して調査・検討が行われなかったのは「監査役会の対応の問題点と並び」、法務部の対応についても問題があったといわざるをえない、とのこと。
私は社内弁護士の経験もありませんし、法務部で仕事をしたこともありませんので、法務部担当社員として、どれほど独立した地位で職務を遂行できるのか、その実務感覚は、あまり存じ上げません。しかしこの報告書では、社内法務部は、社内で買収を主導した部署から「独立した立場で、その内容を十分に検討すべき」とされており、そのような検討がされなかったことを問題視しており、なるほど、法務部とは独立した立場からの意見表明が求められているのか・・・・・と(多少疑問は残るものの)いちおう納得いたしました(内部監査担当者と同じような感覚、と思ってよろしいのでしょうか)。
しかし、この国内3社の買収、ジャイラス社の買収については、監査法人も疑義を呈するほど金額も大きいようですから、法務部の方々が買収の事実をまったく知らなかった、ということはないと思います。たとえ事前に報告されていなかったとしても、事後的には把握しているはずです。そうしますと、法務部の方々も、監査法人と同様に「ちょっとあまり触れてはいけない案件、取締役案件みたいなものがある」といった意識は持っていた可能性があります。
今回のオリンパス社の社内法務部の対応(つまり企業買収案件について、契約書も審査せず、また取締役会の意思決定過程の適法性、買収金額の妥当性も審査しなかったこと)は、一般の企業の法務担当者の方々からみて「ごく一般的に起こりうるものであり、やむをえない」と判断される程度なのか、それとも「オリンパス社の特殊事情によるものであり、到底わが社では考えられない」と判断されるものか、そのあたりを法務部の方にぜひ、お聞きしてみたいところです。金商法というよりも、会社法上の内部統制に関連するものであるため、少し興味を抱いた次第です。
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内部統制やコンプライアンスなどの視点から「企業価値」を語る