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ソフトバンク携帯子会社上場のそろばん

ソフトバンクが抱える国内携帯事業会社を上場させると発表しました。私は孫さんらしい、と直感しましたが、そのそろばんとはどういうことなのでしょうか?

今回上場させるにあたり、国内携帯事業会社の3割の株式を市場に放出し、2兆円調達するとしています。これは単純計算で2兆円÷3割=6.7兆円程度の企業価値があると計算できます。それに対して17年3月期の決算で見ると携帯事業で7200億円稼いでいます。その3割である2160億円の利益を上場によって献上する代わりに2兆円を上場によって調達するというものです。

これは年率10.8%にも上るリターンをほかの事業からねん出しようと考えているとも計算できます。(あくまでも17年3月決算の数字だけを利用しているのでこの計算は暫定的かつ机上のものとなります。)確かに国内携帯電話事業は寡占で参入障壁も高いことから圧倒的に儲かる事業なのですが、同社にとって最も貢献度の高い事業の一部を皆さんにおすそ分けする判断をするからにはそうしたい理由があったと思われます。

一つには国内携帯事業の飽和で事業利益が将来、低下することが見込まれ、この仮の計算である年率10.8%などという数字は維持できないと考えている可能性があります。ちなみに17年9月のIRを見ると17年上半期の携帯事業の利益は前年同期比6.9%落ち込み、IRからは通年で更に下押しする可能性が示唆されています。

これは少子高齢化で日本の携帯事業は完全に頭打ち状態で今後、楽天の参入も考えれば体力勝負的な様相を呈することも想像できます。つまり、孫正義氏の頭には携帯事業のピークは過ぎたので手持ち事業の成長と持続性のために刷新を図ると読み取れます。

実は私ごとで申し訳ないのですが、一昨年、私は手持ちの商業不動産の一部を売却しました。一等地の角地なので申し分ない物件でしたが、市場価格が高騰していたため賃料収入との見合いで考えると賃料だけのリターンは市場価値に対して4%しかなく、長期的な不動産価格の値上がり分を加味してもせいぜい6%のリターンでやや迫力に欠ける面がありました。

そこで売却資金を他に転用することで6%以上のリターンを長期的に確保できるか、今後25年間分のシュミレーションを行った結果、それ以上のリターンを確保できるという結論に達したので売却しました。まだ売却1年目の結果しか出ていませんが20%のリターンをひねり出しました。2年目の現在も同程度のリターンは確保できる見込みです。

孫正義氏と私を同列にするつもりは毛頭ないのですが、投資の考え方とはこういうもので長期的視点に立ち、将来性と成長性に資金や事業配分を乗り換えていく「腰の軽さ」が必要なのであります。

私は何度も指摘してますが、事業の賞味期限は数年から10数年だと思っています。つまり、どれだけ儲かる事業でもあっさりそのブームは過ぎ去るのであります。なぜブームが過ぎ去るのか、といえば参入者が増えること、及びその事業の根幹を揺るがす事業革新や技術革新が生まれるためであります。

どうしてもその事業に固執する場合には徹底的に生き残る体質改善と体力競争をするか、細く長く生きるかの選択をするしかないのです。孫正義氏の場合、徹底的に生き残る為にエネルギーを費やすタイプではありません。細く長く生きるタイプでもありません。

このあたりが今から携帯事業に参入しようとする楽天の三木谷社長とのタイプの違いともいえるのでしょう。

もちろん、孫氏がこの売却を通じて2兆円を手にして将来、化けるような事業を見出すことができるのか、これはそのお手並み拝見ということになります。個人的には「見つけるだろう」と思っています。なぜかって?それは彼の嗅覚はAIでもかなわないセンスをもっているからです。

攻める経営とはこういうことなのでしょう。孫正義氏は独特ですが世界に通じる数少ない日本ベースの経営者だとも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。

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