記事

【読書感想】西郷隆盛 維新150年目の真実

1/2
西郷隆盛 維新150年目の真実 (NHK出版新書 536) 西郷隆盛 維新150年目の真実 (NHK出版新書 536)

Kindle版もあります。

西郷隆盛 維新150年目の真実 (NHK出版新書) 西郷隆盛 維新150年目の真実 (NHK出版新書)

内容紹介
最新の研究成果を盛り込んだ決定版
都会的、エレガント、手先が器用、涙もろい……。
無数の証言から浮かび上がる、史上最大のカリスマの素顔。

物腰が優雅でスマート、この上なく男前。計算が得意で経済に明るく実務能力も高い。人目をはばからず涙を流し、人の好き嫌いが激しく、神経がこまやかでストレスに悩まされる……。徳川将軍から園の芸妓まであらゆる人々の証言を読み込み、西郷をめぐる七つの謎を解きながら〝大西郷〟の実態を活写。数々の新視角を世に問うてきたトップランナーによる、誰にも書けなかった西郷論!

第一章 なぜ西郷は愛されてきたのか
第二章 残された七つの〝謎〟を解く
第三章 何が西郷を押し上げたのか
第四章 西郷の人格と周囲のライバルたち
第五章 なぜ自滅したのか
第一人者が多面的に描き出す「本当の西郷さん」


 今年のNHK大河ドラマの主役は西郷隆盛。
 西郷さんを鈴木亮平さんが演じるということで、あの『変態仮面』をやっていた人が大河ドラマの主役か……と感慨深いものがあります。
 鈴木亮平さんのことですから、変態仮面も大河ドラマの主役も全力投球のはず。  

 大河ドラマの主役となると、その関連本がたくさん出るのはもはや恒例なのですが、この新書は幕末維新史を専門とする歴史学者によって書かれたもので、これまで多くの人が持っていた西郷隆盛のイメージや維新での役割などについて、さまざまな一次史料をもとに新たな知見を示しています。

 ただ、西郷さんの名前と勝海舟との江戸城引き渡しと西南戦争で落命したことくらいしか知らない人にとっては、新書ながらちょっと敷居が高い内容ではないかと思うのです。
 同じ著者が、2017年の8月に『西郷隆盛:人を相手にせず、天を相手にせよ』という600ページのボリュームの本を上梓しており、この新書の内容には「この本に書ききれなかったこと」が多く含まれています。

西郷隆盛:人を相手にせず、天を相手にせよ (ミネルヴァ日本評伝選) 西郷隆盛:人を相手にせず、天を相手にせよ (ミネルヴァ日本評伝選)  著者としては、まずこの『西郷隆盛:人を相手にせず、天を相手にせよ』のほうを読んでもらいたい、という気持ちなのかもしれませんが、この新書を手にとる人は「とりあえず、大河ドラマの主役として流行りそうな西郷隆盛の大まかなところを抑えておきたいな」という感じじゃないかと思うのです。

 そこで、「西郷隆盛の人生については、前著のほうを参照してほしい」と言われると、ちょっと辛いよね。
 もちろん、同じような内容のものをたてつづけには出せなかったのでしょうけど、それこそ、新書のほうは、ダイジェスト版で良かったのでは……

 本書の柱をなすものは、(1)現代のわれわれの眼から見れば辺境に属する地にあった薩摩藩が、なぜ幕末維新史において飛び切りの主役の座を射止めることになったのか、(2)その薩摩藩内にあって真の主役ははたして誰であったのか、(3)西郷隆盛が幕末維新史上で余人をもって代えがたい「図抜けた存在」にまで昇りつめたのはなぜか、といった問題の解明である。

(中略)

 だが、冷静に考えれば、一介の下級藩士にすぎなかった彼らが、大手を振って幕府首脳らと張り合えたり、藩をリードできるはずはなく、真の主役は他に求められて然るべきであろう。 そして、近年の最新の研究では、薩摩藩の幕末史に関しては、第二十九代当主島津忠義(1840〜97)の実父として藩の最高権力者の座に就いた島津久光(1817〜87)および、久光の篤い信任を受けた家老小松帯刀(1835〜70)の両人こそ、真の主役であったと見なす妥当な評価が次第に定着しつつある。本書ではこのことを取り上げたい。

 この本を読んだかぎりでは、この両者が権力者として薩摩藩の最終決定権を握っていたのだから、彼らが真の主役だった、というような捉え方のように感じたんですよね。
 でも、それって、どんなに現場の社員が頑張って新しい製品を開発しても、それは社長や会長のおかげ、っていうのと同じような気がします。
 研究者の判断と歴史小説好きの思い入れを等価にしてはいけないのかもしれないけれど。

あわせて読みたい

「西郷どん」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    テレ朝は色仕掛けの手法を明かせ

    三田次郎

  2. 2

    小室さん母 出勤往復にタクシー

    女性自身

  3. 3

    逆効果?野党の#MeToo運動に苦言

    大西宏

  4. 4

    セクハラを政治利用 野党に指摘

    AbemaTIMES

  5. 5

    内閣支持率3割切るも野党は低迷

    舛添要一

  6. 6

    手入れ、値段…革靴通勤に疑問

    キャリコネニュース

  7. 7

    買春で知事辞任 米山氏の母嘆き

    SmartFLASH

  8. 8

    安倍首相の続投希望 企業の7割超

    ロイター

  9. 9

    麻生氏はなぜ福田次官かばったか

    NEWSポストセブン

  10. 10

    立民議員 審議時間返してほしい

    初鹿明博

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。