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<年末年始のテレビが酷い>それでも今年は桂歌丸とナイツに注目

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー]

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年末年始だっていうのにテレビは再放送が増えました。一方でおなじみの定番番組も内容が軒並みパワーダウン。年末年始らしい大型ドラマもなく、特筆すべきノンフィクションもありませんでした。目立つような新企画もなく、紅白歌合戦の衰えが象徴するようにテレビメディア全体の老いが透けて視えた気がする新年でした。

例年ウンザリするほどあったお笑いのネタ番組も今年は少し減ったようです。筆者は以前から勝手に、中川家、博多華丸・大吉、サンドウイッチマン、ナイツを現代の漫才四天王と決めているのですが中川家、博多華丸・大吉、サンドウイッチマン、には共通して一時の勢いがなく、中だるみ状態のようです。

いずれも腕は確かですからどの番組でも達者に笑いを取ってはいるのですが、ネタに新鮮味もキレもなく、天下を取ろうという張りもありませんでした。

ただ一組、ナイツだけは違いました。着実にパワーアップしています。今年に限ったことではありませんが、新ネタ、それもヤホー漫才の変化版ではなく、ビックリするようなオチがある優れた構成のネタを含めて、いくつものスタイルを用意しており、同じネタを視ることがほとんどありません。

いずれのネタも出来が良く、それを確かな技量で演じますから、マンネリ感がなくいつも確実に楽しめます。とりわけツッコミの土屋伸之が面白くなっています。ナイツは今が、花なら見頃、の感があります。

この四天王はいずれも、くりぃむしちゅーやダウンタウンのようにテレビの司会者専業に転身して行くタイプではなく、西川きよし・横山やすしのように漫才で頂点を目指すタイプですから、中川家、博多華丸・大吉、サンドウイッチマンにもいっそうの奮起を期待します。

もうひとり、年末年始のテレビを視ていて、今年はこの人の落語を聴いておこうと思ったのが桂歌丸師匠です。

昔、演芸評論家・川戸貞吉さんが「現代落語家論」で主張された落語四天王は、立川談志、古今亭志ん朝、三遊亭圓楽、月の家圓鏡(当時)でした。談志は1936年生まれ、志ん朝は1938年生まれです。歌丸は談志と同じ1936年生まれですが、新作派で四天王ほどに注目されるような噺家ではありませんでした。

その後も、筆者にとっての桂歌丸とは「笑点」の歌丸であり、せいぜい女性が化粧する姿の形態模写で笑いを取る噺家という印象でした。

しかし、日本テレビで1月3日に放送されたノンフィクション「桂歌丸81歳落語暮らし 密着365日!桂歌丸・・・入退院生活で見せた落語家の執念」を視て印象が変わりました。

81歳の歌丸は肺気腫を患い、その状態も良くありません。入退院を繰り返し、いつも鼻に酸素吸入の管がはずせません。一人で歩くこともままなりません。歌丸は晩年です。落語家の晩年は様々ですが、多くは全盛期の面影を失います。

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