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東アジア情勢を見誤ってはならない〜中国こそが地域の安定への最大の脅威〜

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 案の定というべきか、1月10日から11日にかけて、尖閣諸島の接続水域に中国軍の潜水艦が潜航したまま侵入するという前代未聞の挑発行動に出ました。このような中国共産党の対外政策のエスカレーションが、国際政治的には当然に予測し得たものだということは、私のこれまでの文章を読まれてきた皆さまにはご理解いただけると思います。

 昨年10月に行われた5年に一度の中国共産党大会で、党内の政治的基盤固めを行った習近平国家主席ですが、そもそも共産党の一党独裁体制に加え、習近平氏自身の強権的な手法もあって、中国共産党というよりも習近平氏という個人の独裁の色合いが増してきています。

 そもそも、共産党一党独裁の中国にあってはリーダーが選挙で選ばれているわけではありませんから、民意により選ばれたという正統性を持ちえないのが中国のリーダーです。それゆえに、これまで中国共産党の行動原理の根底には、権力の維持の正統性のために、(1)国民に経済的な富を与える、(2)偉大な中国を実現できるリーダーというイメージを与える、この2通りの動機があったわけです。ましてやそれが個人の独裁ということであれば、これらの正統性を守ることが出来るかが、習近平氏個人の政治生命はおろか生命を守れるかという観点で死活的に重要、というのが現在の状況だと思われます。

 「一帯一路」という構想を見るまでもなく、中国の経済は今後の発展は望めません。一つには一人っ子政策という人工的な少子高齢化を作り出した結果、世界で初めて「豊かになる前に高齢化してしまう」国になるということ。そして特に、発展する沿岸部でその傾向が顕著であるということ。そして国内の経済の構造改革、近代化に失敗し、旧来の重厚長大産業と非効率な国営系の企業を多く抱える構造を脱却するチャンスを逃したということ。

 これらを考えれば、上に挙げた(1)の経済的な富を国民に与えるという正統性は、もはや習近平氏には与えられません。そうなると、(2)の「偉大な中国」という正統性を意地でも追及せざるを得ない、というのが今の実情です。

 最近見られている、台湾に対する異常なまでの軍事的、政治的な圧力、アメリカを東アジア・西太平洋から追い出すための政治的・軍事的布石、その一環としての東シナ海のガス田や尖閣諸島における実質的な制海権・制空権の強引な追及、南シナ海、インド洋における同様の軍事的な挑発行動、これらはまさに習近平氏の生命がかかっているといっていい正統性を確保するために、習近平氏が極めて合理的に行動している証左です。

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