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東京五輪に向け、数字を持ってるアスリートの争奪戦激化


【『メレンゲの気持ち』でトーク力が評価大の村上佳菜子(公式HPより)】

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、東京五輪に向けてのアスリートタレント事情について。

 * * *
 昨年来、ゴタゴタが続いている大相撲に加え、カヌー界トップ選手による「薬物混入」。さらには競泳男子平泳ぎで東京五輪のメダルが期待されている選手による後輩への暴力…と、スポーツのニュースがストレートニュースやワイドショーでも時間を割かれる昨今。

 いよいよ東京五輪が2年後に迫ってきているからに他ならない。

 件のニュースの中でも特に衝撃的だったのは、加害者が事実上の永久追放となったカヌーの禁止薬物混入問題。10日『バイキング』(フジテレビ系)で解説した川合俊一氏は、「バレーボールのようなチームプレーでは考えにくい」とコメントしていたが、それを翌11日、『ドデスカ!』(メ~テレ)でバドミントンの小椋久美子氏に伝えたところ、「でも、チームスポーツには、ポジション争いという別の闘いがある」と。

 また、川合氏、小椋氏の両名は共に「日本のスポーツ界に激震が走った」「早期の対策が急務である」などと、その表情は険しかった。

 そこまでの激震ほどではないものの、実はバラエティー番組のスタッフ間でも、アスリートの不祥事は、おおいに困った問題なのである。

「いま、アスリートを揃えた番組は、漏れなく数字を獲る」とは人気バラエティー番組を多数手がける男性放送作家だ。特に年末年始はオフシーズンになったプロ野球選手やプロゴルファーが多数出演し、タレントと対決する特番が花盛り。2000年から続いている『夢対決!とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日系)は、その代表格だ。例年なら、期首特番の時期が過ぎれば少なくなるアスリート出演の番組が、東京五輪を見据えて、増加傾向にあるのだ。

 昨年11月、27年ぶりに復活したことが話題になったのは『ビートたけしのスポーツ大将』(テレビ朝日系)。そして今年1月、レギュラー番組として8年ぶりに復活するのはダウンタウンの浜田雅功MCのスポーツバラエティー『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)だ。

 既存の番組では、運動経験のある芸人やタレントがプロのアスリートに挑戦する『炎の体育会TV』(TBS系)が長寿番組になりつつある。

 こうした番組のスタッフが、なぜアスリートの不祥事に困惑しているかといえば、キャスティングがしづらくなっているから。

 件の『ジャンクSPORTS』は過去、トークに長けた力士を見つけては売り出していったが、復活しても、ヒナ壇すべてに力士を座らせることは、当分の間は難しいのではないか。

 カヌーは、16年、リオデジャネイロ五輪で日本人初の銅メダルを獲得した「ハネタク」こと羽根田卓也選手が、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)では明石家さんまから、「ハネタク」を見出した『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)ではマツコ・デラックスと有吉弘行から、そのキャラクターとバラエティーでの勘の良さを絶賛されている。だが、その羽根田選手も、しばらくはバラエティーには出にくいだろう。

 水泳も、北島康介氏を始め、キャラが立つうえ、そこに居るだけでチャンネルが留まる五輪メダリストが多数いるが、例の暴力事件が、どう悪影響を及ぼすだろうか。

 果たして、今後さらに増えるであろう、スポーツバラエティー番組において、数字を持つアスリートとは、どんな人なのだろうか。

 まずは、夏季でも冬季でも直近の五輪でメダルを獲得したアスリートだ。これは、多少トークセンスが悪くても、画も話ももつ。女子であっても、なでしこの澤穂希氏、レスリングの吉田沙保里選手らは間違いなく数字がある。これも川合俊一氏が言っていたことなのだが、「国体やアジア大会で優勝した選手と、たとえメダルの色が良くなくても五輪で活躍した選手とは、メディアでの“その後”の扱いが全く違う」とのことである。

 同じく女子でいうと、五輪でメダルを獲っていなくとも、美人は強い。件の小椋久美子氏に潮田玲子氏。『サンデーLIVE?』(テレビ朝日系)レギュラーコメンテーターでビーチバレーの浅尾美和氏、『news every.』(日本テレビ系)キャスターでバドミントンの陣内貴美子氏らは、五輪のメダリストではないが、その美しさや、エピソード豊富なプライベートトークが視聴者に愛される。最近では新体操の畠山愛理氏が引っ張りだこだ。彼女はかつて『ジャンクSPORTS』で「美しすぎる」と話題になっている。

 もちろん、いくらキャラクターやルックスが良くても、局内において、バラエティー班が直接アスリートにオファーすることは、よほどの関係性がない限りは難しい。

 各種目の協会が厳しいうえ、自社にはスポーツ局という高い壁もあって、なかなか出演には至らないのだが、たとえば陸上の桐生祥秀選手は、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレーのスタート前、明石家さんまの出演番組のDVDを見てリラックスし、それが快挙につながったと公言している。滋賀県出身ゆえ、関西のお笑い番組に精通しており、昨年、『さんまのまんま』(関西テレビ・フジテレビ系)で「一番会いたかった人」と念願の対面を果たしている。

 また、同じく笑いがわかっていると評価が高いのは柔道の野村忠宏氏、存在自体にインパクトがあるテニスの松岡修造氏に柔道の篠原信一氏。過去に不祥事があったものの『ワイドナショー』(フジテレビ系)でダウンタウンの松本人志や東野幸治と毎週絡んでいることで劇的にトークの腕を上げたサッカーの前園真聖氏。さらには視聴者が笑いよりも“泣き”を期待するフィギュアスケートの織田信成氏…などなどは、オリンピックイヤーに向けて引っ張りだこになるだろう。

 そして、最近、そのトーク力を評価されているのはフィギュアスケートの村上佳菜子氏だ。『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)の新MCに加入したときは「大丈夫?」との声もあったが、「瞬間、瞬間で自分が何を話せばいいかをわかっている」「どんな話を振られても、見事に返す」と共演者が絶賛しているのを聞いた。

 いずれも、競技での「記憶」と、スポーツバラエティーでの「記憶」の双方が視聴者の心に残るアスリートたちだ。“トーク力”と言っても、タレント並みのそれを目指す必要はないのである。番組MCには、ビートたけし、浜田雅功、今田耕司、雨上がり決死隊ら、トップクラスの芸人が据えられているからだ。

 気を付けなければならないのは、かつてのサッカーの武田修宏氏のように「おバカ」括りで活躍し過ぎ(!)てしまうと、解説者や、実は彼を始め多くのアスリートが目指している監督へのステップに支障をきたしてしまうこと。そこは出るほうも出てもらうスポーツバラエティー番組側も、細心の注意を払っているところだ。

 いずれにせよ、キャラの強いアスリートは、たとえ現役を引退したとしても安泰が続くハズ。争奪戦は、日夜激化している。

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