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いかに死を迎えるか:リビングウィルと尊厳死

 私が遠距離介護した母親を看取ってから18年が経つ。国会議員、厚生労働大臣、都知事として、医療介護の問題に正面から取り組んできたが、まだまだ解決せねばならない課題が山積している。とくに、高齢化が進む今日、様々な形での看取り、孤独死、空き家など、深刻な認識が必要な問題が噴出している。

 具体的な取り組みの例をあげると、知人の川越厚医師は、自らクリニックを開業し、主にガン患者の在宅ケアを支援するグループ「パリアン」を立ち上げ、訪問看護、居宅介護支援、訪問介護、ボランティアなどのサービスを提供している。

 その現場で、16年間にわたって、約2000人のガン患者を看取ってきた体験から、末期ガン患者であっても、さらにそれに認知症を併発していても、住み慣れた自宅で最期を迎えることができることを力説する。著書『ひとり、家で穏やかに死ぬ方法』(主婦と生活社、2015年)は、実際の話を素材に構成されており、実に生々しく問題点が浮き彫りにされている。

 このような患者を受け入れるところは緩和ケアホスピスしかなく、その入所も容易ではない。要は、医療関係者と患者及びその家族との信頼関係であり、また地域の力が重要である。老夫婦の一方が先立つ場合、残された配偶者の将来が、先立つ者の心配の種だということも忘れてはならない。

 リビングウィルとは、生前に治療方法などについて意思を示す方法で、たとえば、「不治、末期のときは無意味な延命治療を拒否する」、「数ヶ月にわたり植物状態になったときは、生命維持装置をやめてほしい」などがその内容である。私は、国会議員のときこのリビングウィルを法制化しようと努力したが、まだ国会で議論すら十分にできていない。

 反対論も根強くあり、医療費削減のためなのか、障害者の権利が守られなくなるのではないかという疑問や心配も多い。このたび宮下洋一『安楽死を遂げるまで』(小学館、2017年)が出版されたのを機に、リビングウィルや尊厳死の問題が広く議論されることを望みたい。

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