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メガバンク大規模リストラで転出、銀行マンは中小企業で戦力になる?

 相次いで人員削減計画を打ち出したメガバンクが、中小企業やベンチャー企業への有力な人材供給源になるという銀行トップの発言に注目が集まっています。銀行マンは中小企業やベンチャー企業で活躍できるのでしょうか。

銀行マンとしてのスキルは実務で役に立つのか?


アフロ

 みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は専門紙とのインタビューにおいて、人員削減計画に伴って銀行から転出する人材について、中小企業やベンチャー企業の財務担当者になり得るとの見解を示しました。財務や経営が分かる人材のニーズが多いというのがその理由です。

 同行では2026年度末までに1万9000人の人員を削減する計画を打ち出しています。グループ内での異動などもありますから、全員が社外に出るとは限りませんが、それでも1万人程度の人材が労働市場に出てくる可能性があるわけです。ここで問題となるのが、銀行マンとしてのスキルがどの程度、実務で役に立つのかということです。

銀行マンは財務や経営に強いとは限らない

 佐藤氏によれば、銀行マンとしての財務や経営の知識が中小企業やベンチャー企業の経営に活かせるとのことですが、こうした見方については懐疑的な意見が多いのも事実です。確かに一部の銀行マンは財務や経営に精通していますが、多くの銀行マンは世間がイメージしているほど財務や経営に強いわけではありません。ほとんどの行員は、預金を獲得したり、融資先を獲得するための営業マンであり、実際に経理や財務の実務をこなせる人は希というのが現実です。

 では、営業マンとしてならば優秀なのかというとそうとも限りません。一般的な企業と比較して銀行の立場はとても強く、銀行マンは圧倒的に低い立場でモノやサービスを売り込むという経験をしていません。もちろん一部の優秀な銀行マンは営業マンとしても活躍できるはずですが、こうした能力を持った人はやはり少数派でしょう。

取引先が「忖度」して人材を引き取ることに?

 さらにいえば、退職した銀行マンが取引先に再就職するということになると微妙な問題を引き起こす可能性があります。取引先が本当にその人材を望んだ結果として入社するのであればまったく問題ありませんが、取引先が銀行の状況を「忖度」して人材を引き取るということになると話は変わってきます。

 銀行が自らの立場を利用して元行員の役員就任などを強く要請する行為については厳しく制限されています(優越的地位の濫用に相当する可能性がある)が、忖度という形であればこうした基準には抵触しない可能性もあるわけです。企業のニーズに合致しない人材を引き取ってしまえば、結果としてその企業の競争力が低下し、経営が傾くリスクがあります。

 企業がリストラを実施する以上、再就職についてある程度の支援を実施するのは当然ですが、最終的にキャリアを決めるのは本人自身です。特に銀行という特殊な業態の場合には、会社としての支援にも細心の注意が必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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