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さいきんおもったことの日記

残業のはなし

「ドラゴン桜」の三田紀房先生に元アシスタントが残業代請求、漫画業界に波紋を呼ぶ

の話と

徹夜は一切しない!【Vol.4 三田流マンガ論】

この両方を読む。

元アシスタントの方がおっしゃってる、

1.休憩取れなかったですよね。
2.残業ゼロは嘘ですよね

は後者の記事にこう書いてある。

私は常時5人のシスタントを雇っている。彼らは毎朝9時半に仕事場に来て1日分の仕事を済ませ、18時半には帰っていく。昼休みは特にもうけず、めいめいが自分の判断で自由に取る。金、土、日は休みで週休3日制。

木曜が週の最終出社日で、この日だけは週刊誌1本分の原稿が仕上がるまで作業をする。だから多少帰りが遅くなるが、せいぜい終電までだ。アシスタントが休む週末に、私はじっくりネームを考える。もう15年近く、このペースで制作を続けている。

残業代を払ってないことや、休憩を取れる雰囲気にあったのか否かという双方が書いてない部分を除くと、同じような話が書いてあって、彼の主張となんら食い違っていない。

それ以前に、週休3日を実現するための木曜日の残業が、これほど忌み嫌われていたという事実はガックシ来そうで残念でした。ここばかりは、三田先生の負けという印象。

つまり、今の日本においては、木曜日に頑張って週休3日を実現するよりも、社員の自由な時間は減りつつも、おしなべて週5日働いてもらって、定時帰りしてもらったほうが人件費が安いし、今回のようになるリスクも低く経営者には合理的であるということでしょう。

当たり前のことですが、自由な働き方を求めても、責任は果たさないといけないんで仕事は終わらさなきゃいけないんですよね。

だから、その他の平日で終わらなかった部分は、どこかでカバーして終わらせなくてはいけない。ごめんなさいでは済まないわけなので、それが木曜日の残業だったわけですが、それが仇となって恨まれてしまったのでは世話ないですね、となってしまうわけですね。(本当の恨みポイントはそこじゃない感は抱きつつも、そこは面倒くさいのでスルー)

なるほど、それ故に、働き方改革が求められるのかーという意味で、非常に学びの多いお話でした。

ここからは与太話

さて、佐藤秀峰先生も書かれていたが、今の漫画のビジネスモデルを前提とすると、この話のとばっちりは新人漫画家チームの運営が苦しくなるところにある。残業代の話もそうだし、雇用形態もちゃんとやらないといけないので法務面の支えが必要。

成功した漫画家さんは、最悪、CFOを雇って、後から残業代支払いをキャッチアップする財力があるだろうから、どうにかできるとしても、先に残業代を求められると、出せないものは出せないということで、結構、キツイんじゃないかと。

じゃぁ、そこをどうにかするのを求めた場合に、たしかに単純に原稿料を上げられればよいので、それが可能ならそれでOK、もしくはファイナンスを事前することでの資金繰りを支えてあげるのを出版社がビジネスとしてやり始めた場合は、今度は、著作権周りの自由度が折半になるとか、いくつか漫画家さんにとって不利な条項が出てくることは想定の範囲。そりゃお金だけ上げてリスクは全部出版社で、成果は漫画家が頂きますってことにはならないだろうし。最悪、受託扱いで著作権を奪われて、成功しても相対的にそれほど儲からなくなるということは考えられる。

そうなった場合に、ある種のスタートアップ投資とみなしてDMMが参入してくるとか、いろいろ考えたりして、また、それ以前に、ICOみたいなもっとお金の調達がしやすい仕組みで、人気が出る前にアシスタントにはストック・オプションがもらえて、もしヒットしたらお金が配分される仕組みがあるといいよなーとは、割とマジメに考えた。

クラウドファウンディングともまた違って、現状の法律では配分されえない人たちに、成功報酬として感覚値ではなくコントラクトに基づく、お金が配分される仕組みがあるといいよなーと思った次第。

ICOみたいな仕組みで、成果に応じて配分される。単純に労働時間配分でいいなら、タイムカード記録がスマートコントラクトになっててさーとか、どうでもいいことまで考えたりして、なにげに、この話は興味深い。

つまり、労働者契約でお給料を支払ってるので問題ないし、そこのリスクを経営者がすでにとってるから、成功報酬は株主が独り占めしても仕方ないよねってのが、今の基本的な枠組みだけど、仕組みとして株主的な仕掛けが、評価システムと連動して作れるなら、そういうのがあってもいいんじゃないか?と思った与太話でした。漫画のように、掛けた工数に対して、後からフィーバーするビジネスの仕掛けがないとできないけどね。

あと、もう一つの学びは、今回のお話、仮に、元アシスタントの人が言ってるように、これを「正しいブラック企業」の有り様だと考えた場合、ブラック企業が正しくあるためには、「成功者」と「敗者」が存在することが成立要件だよなーと思った。

つまり、成功者というインセンティブがあるからこそ、漫画家を続けるリスクとして、普段の報酬は低いし、アシスタントなどの下積みは厳しいのは仕方ないという考え方だ。この感覚が漫画家とアシスタントの間には存在するので、おそらく残業代を支払ってなかったんじゃないかと思うし、アシスタントにとっての成功は漫画家として独立することなので、それを促す給与体系であったということが考えられる。

かと言って現状の法律下では、そうは問屋がおろさないので、残業代はお支払することになるとは思うが、それはさておき、誰もそこで頑張っても成功しないのにブラックだったとしたら、これが一番タチが悪い。いつぞやの牛丼チェーンがまさにそれだった気がする。そういうのが本当に潰すべきブラックの構図であって、漫画家や徒弟制度のようなジャンルで、これをやるとマジで文化産業が潰れるから仕組みを変えた方がいい。

また、サラリーマンのように、さほど大きく成功もしないが、一生、さほど失敗にもならなくて、結果としての生涯を捧げた総額はそれなりに高いというオプションが、労働法の対象となると思う。しかし、そこには成功しうる国策的な産業という財閥構造あたりにリンクする前提条件があってそうなってるので、そういうのと、めちゃくちゃな成功者と敗者がトレードオフとで存在しうるビジネスモデルとを十把一からげにするのは、少し無理があるかなとは思ったりする。なのにアシスタントだけはまっとうな労働契約で縛られるのもどうなんかなと思うので、新しい報酬、再配分の仕組みがあればいいんじゃないかなーと思う理由。

まぁブロックチェーンが浸透した10年後ぐらいには、そういうのがオープンソースを支えるモデルあたりを成功例に出てくるんじゃない?githubのコントリビューションで配分が決まるとかね。

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