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「箱根駅伝」往路で青学を苦しめた東洋大・酒井監督の漢気

「箱根駅伝」往路で青学を苦しめた東洋大・酒井監督の漢気

 復路での逆転から、圧巻の箱根駅伝総合4連覇を果たした青山学院大は、往路では一度も首位に立つことができなかった。優勝候補の東海大、神奈川大が序盤で脱落するなか、王者を追いつめたのが東洋大だった。

 マラソン解説者の金哲彦氏は、酒井俊幸監督(41)の手腕を評価する。

「下級生中心の布陣ながらノーミスだったことが往路優勝の要因。選手の調子を見極めることに長けています」

 就任9年めの酒井監督だが、初めて箱根駅伝を指揮したのは33歳。選手引退からわずか4年後だった。実業団時代はニューイヤー駅伝でアンカーを務めた。

 就任当時は、前年活躍した “山の神” 柏原竜二(28)らに支えられたが、今回の東洋大を支えたのは、育て上げた下級生。西山和弥選手は1区で、1年生としては7年ぶりの区間賞。また4区をまかされた吉川洋次選手も区間記録に1秒差に迫る快走を見せた。

「実力が同じなら下級生を使う」がモットーの酒井監督は、今大会1、2年の選手を全区間中、7人起用した。陸上競技専門誌記者が語る。

「酒井監督は常勝軍団を築くため、下級生に出場機会を与えてきました。今回も、前回9区区間賞の野村峻哉主将(4年)を、『箱根の長い距離で使うのは難しい』と判断し、登録外に。『非情でも、それが次の選手を作ることになる』と話していました。こうした采配が、就任以来3位以内をキープし続けている要因に挙げられます」

 服部弾馬などの実力者が多く卒業した今季は、これまで以上にチームの若返りを推し進めた。2017年12月におこなわれた「箱根駅伝監督トークバトル」でも、こんな胸の内を明かしていた。

「数年、青山学院大に競り負けているのは、チームの底上げができていないため。もう一度黄金時代を作るためには、選手層が薄くなっているチームを再構築する必要があった。思い切ってフレッシュなメンバー構成にした」

“育てながら勝つ”という難題に取り組みながら戦い続けてきたが、「高校生のスカウティングは苦戦の連続」と、前出・陸上競技専門誌記者は続ける。

「昨年、酒井監督は、『有力な高校生ランナーは青山学院大に行きたがる。いい選手が獲れない……』と嘆いていた。それでも新入生が門を叩くのは、『箱根で活躍すれば次のステージが開ける』と、将来を提示して熱心に口説くからです。

 そして入部してきてくれた1、2年生に、『その1秒をけずりだせ』のスローガンのもと、厳しい練習を課してチームの底上げをおこなってきた」

 若い力での健闘は、勧誘と指導で見せる “いい漢っぷり” がもたらしたのだ。

(週刊FLASH 2018年1月16・23日合併号)

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