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ウェブメディア猛攻 新聞の漂流止まず【2018:メディア】

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Photo by brotiN biswaS

【まとめ】

・新聞の発行部数は16年連続減少、広告費は11年間でほぼ半減。

・新聞はアーカイブと人材を利活用できておらず、人材流出に歯止めがかからず。

・読者が本当に知りたい情報を報じておらず、ウェブメディアの猛攻を許している。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトでお読みください。】

昨年の新年特集【大予測:メディア(新聞)】で私は「伝統メディアが反転攻勢に」と書いた。結論から言うと、反転攻勢は無かった。それどころか新聞の凋落は止まらなかった。

深刻な部数の減少

新聞協会によると、2017年の一般紙の発行部数は38,763,641部対前年比2.7%減であった。2001年の47,559,052部依以来、連続16年間部数を減らし続けている。

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発行部数は朝夕刊セットを1部として計算
図1)Japan In-depth編集部作成(新聞協会のデータに基づく)

発行部数の減少より衝撃的なのは、新聞広告費の減少だ。2005年に1兆377億円あったのが、2016年は5431億円だ。11年間でほぼ半減したことになる。広告主にとってもはや新聞は魅力的な媒体ではないことを意味する。

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図2)Japan In-depth編集部作成(新聞協会のデータに基づく)

当然座して死を待つわけにはいかない、ということで色々なチャレンジをしているが、デジタル戦略では日本経済新聞の独り勝ちの状況だ。しかしそれはビジネスマンにとって日経以外選択の余地がほとんどないからであって、高い購読料に二の足を踏む消費者も多いだろう。

その日本経済新聞社は2017年11月1日から月ぎめ購読料を朝夕刊セットで4509円から4900円(消費税込み)に、全日版を3670円から4000円(同)に値上げしたのには驚いた。セットで約9%、全日版では約9%の値上げである。目を疑った読者も多いだろう。正直その値上げ分の付加価値を感じない。

新聞が失った2つの付加価値

付加価値と言えば、新聞が媒体としての魅力を減退させ続けている理由として2点あげたい。それは、“コンテンツ(アーカイブ)”“人材”利活用が上手くいっていないことだ。

まずコンテンツ(アーカイブ)の利用に関していえば、インフォグラフィックス含めとても成功しているとはいいがたい。昨年の予測で私は既存メディアの強みはその膨大なアーカイブの存在だと書いた。その利活用を上手くやれば読者を引きつけることが出来ると今でも考えている。

しかし、新聞のウェブ版のトップ画面はごちゃごちゃしていて、どこに面白いデジタルコンテンツがあるのか全くわからない。動画も含め手間暇かけてコンテンツを制作しても、見てもらえなければ意味がない。

その動画だが、私は終始一貫して活字媒体が動画コンテンツを制作することに反対だ。1つには制作コストが高い事。もう1つは活字の人は映像に慣れていない、ということに尽きるだろう。新聞記者の解説リポートやインタビューなどは正直誰も見ないだろう。

一方でブレーキングニュースで、現場からの映像、特に空撮映像などをトップに配信できるのは新聞社ならではの強みではあるが、読者はそもそも新聞に映像の速報性を求めていない。テレビやSNSに上がる映像の方がはるかに速いのだ。したがって新聞社が苦労して映像をウェブ版に貼り付けてたとしても、これまた誰も見ないという憂目を見ることになる。

人材活用だが、これはもっと深刻だ。優秀な記者のウェブメディアへの流出が止まらない。「BuzzFeed Japan」の編集長古田大輔氏は元朝日新聞だ。

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写真)古田大輔 BuzzFeed Japan創刊編集長
出典)Twitter:@masurakusuo 

読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」編集長だった岩永直子氏も去年「BuzzFeed Japan」に参加した。調査報道ウェブメディア「ワセダクロニクル」(2017年2月創刊)の編集長も元朝日新聞の渡辺周氏だ。

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写真)渡辺周 ワセダクロニクル編集長
©Japan In-depth編集部

朝日新聞のAERA前編集長の浜田敬子氏は、「ビジネス・インサイダー・ジャパン」の日本版統括編集長に去年4月に就任した。

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写真)浜田敬子 ビジネス・インサイダー日本版統括編集長
出典)Twitter:@hamakoto

なぜか朝日新聞社からの流出が多いが。やはり既存大手メディアの中ではやりたいことが出来ないという閉塞感があるのではないか。組織が硬直化したままでは、変化の激しいウェブメディアの世界に対応できないのは自明の理だが、それに経営者が気づかず人材を活かしきれていないとすれば残念なことだ。

以上2つの新聞不振の原因に加え、さらに深刻な問題がある。それは、一部の新聞報道が読者のニーズと乖離していることだ。

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