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駅伝・マラソン選手は「億」を稼げるのか

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駅伝やマラソンで上位入賞する「トップランナー」はどれだけの収入を得られるのだろうか。「2020年東京五輪の星」と評され、いま「1億円ランナー」に最も近いといわれるプロランナー・大迫傑選手に、元「箱根駅伝」ランナーである酒井政人氏が聞いた――。

■「駅伝・マラソン」はどれくらい稼げるのか?

ニッポンの正月は駅伝三昧だ。元日は実業団の「ニューイヤー駅伝」(全日本実業団駅伝)、2~3日は大学生の「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)。たすきをリレーしながら疾走する選手を見ていると、あっと言う間に時間がすぎる。駅伝やマラソンなど、日本人ほど「人が走る」のを好む国民はいないのではないだろうか。

*写真はイメージです(写真=iStock.com/brazzo)

つい引き寄せられてしまうのは、レース展開の面白さや走る姿が凛々しいからだけではない。大学生と社会人の“最高峰”のレースは、すなわち、五輪や世界的なマラソン大会でのメダル獲得を期待できる、日本の陸上界を背負って立つホープを探し出せる醍醐味もあるのだ。

ニューイヤー駅伝を走る37チーム、259人の多くが、大学の駅伝部(陸上部・競走部)出身の“エリート”。社会人になってからもしのぎを削り、さらなる高みを目指しているわけだが、彼らランナーの収入や待遇はどうなっているかご存じだろうか。

▼ニューイヤー駅伝を走る実業団選手の「給料」

日本陸上界は「実業団」というシステムが中心だ。これは世界的に見ると非常に珍しい。ニューイヤー駅伝には、旭化成、コニカミノルタ、トヨタ自動車、Honda、富士通、DeNAなど大企業のチームが参加している。出場者の大半は「社員選手」(一部は「契約社員」)で一般業務はほとんど免除され、競技練習や大会が最優先される。

一般社員と同じように給料が支払われ(陸上の活躍に応じたボーナスがでる企業もある)、年齢による限界やケガなどにより現役を引退した後も、“お払い箱”にならずに社業に集中することができる。“安定”という意味ではかなり恵まれているといえるだろう。

日本の長距離ランナーでは「箱根駅伝を走ったかどうか」が指標になりやすい。箱根駅伝を走るレベルであれば、8割ほどは実業団に進むことができ、一般企業に就職するのは少数派だ。実業団に進む場合はチームのレベルと会社の大きさによって所属先を選ぶ選手が多い。

■「1億円ランナー」に最も近いプロランナー大迫傑

一方、海外には実業団という仕組みはないようで、実力のある選手は「プロランナー」となるのが一般的だ。彼らが稼ぐ手段は大きく2つある。

ひとつは企業とスポンサー契約を結ぶこと。スポーツメーカーと契約できれば、シューズやウエアの提供を受けられる。トップランナーであれば、金銭的なサポートを受けられることもあるが、そうした選手はごくわずかだ。

もうひとつはレースで賞金や出場料を稼ぐことだ。たとえば毎年2月に開催され、3万人以上が参加する「東京マラソン」にも賞金が用意されている。優勝は1100万円。10位までに入賞すれば着順に応じて400万円から10万円の賞金が出る。さらに記録ボーナスもあり、世界記録がでれば3000万円、日本記録は500万円、大会記録は300万円が支給される。東京マラソンはかなり高額だが、同じように賞金の出るレースは世界中にたくさんある。

またトップランナーであれば出場料も獲得できる。世界トップクラスのランナーは、メジャー大会と複数年で数千万単位の契約を結んでいる。非公表だが、国内の主要レースでも、大会主催者側がトップ選手にボーナスや出場料を支給しているようで、日本人の目玉選手では数百万円が相場だといわれている。

▼「日本マラソン界のエース」の箱根駅伝・ニューイヤー駅伝時代

こうした状況で、いま日本で「1億円ランナー」に最も近いといわれているのが、快進撃を続ける日本マラソン界のエース、大迫傑(26)だ。

「1億円ランナー」に最も近い日本マラソン界のエース大迫傑選手

高校駅伝の名門・佐久長聖高校から早稲田大学へ進み、同大1年時の箱根駅伝1区でいきなり区間賞を獲得すると、2年時には「学生のオリンピック」と呼ばれるユニバーシアード1万mで金メダル。4年時には1万mで27分38秒31の日本人学生最高記録を樹立して、モスクワで行われた世界選手権(2013年)にも出場した。

大学卒業後は日清食品グループに入社して、ニューイヤー駅伝の1区で区間賞を奪うと、わずか1年で退社。「プロランナー」としての活動をスタートさせた。現在は米国を拠点に、「ナイキ・オレゴンプロジェクト」の一員として世界最高峰のトレーニングをこなしている。

昨夏のリオデジャネイロ五輪は5000mと1万mに出場。特筆に値するのは、今年4月には世界屈指の伝統を誇るボストンマラソンで3位に入ったことだ。初マラソンを2時間10分28秒の好タイムで走破し、あの瀬古利彦以来、初めて表彰台に立った。

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