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シャープ戴正呉社長の言動に注目、社長にしがみつく日本の経営者と対照的?

 経営難に陥ったシャープをわずか1年半で再建し、東証1部へのスピード復帰を果たした戴正呉社長の言動に注目が集まっています。戴氏は同社と鴻海の利益相反を防ぐために鴻海の役職を辞任したり、再上場を節目に後継者に社長の座を譲る方針を明らかにするなど、潔さが目立ちます。

1年4カ月ぶりに東証1部に復帰したシャープ (写真:つのだよしお/アフロ)

 戴氏は2016年8月、経営不振に陥ったシャープの経営再建請負人として台湾の鴻海精密工業から送り込まれました。戴氏の特徴は何といっても意思決定の早さです。同氏はお盆休みの直前にトップに就任しましたが、休みが明けた時にはすでに経営基本方針が公表されるという素早さだったそうです。トップが何を求めているのか明確に伝えることで、組織の動きを活性化することに成功しました。

 一方で、社員に対しては信賞必罰を徹底するなど厳しい顔も見せていますし、自ら社員寮に寝泊まりすることで、甘えを許さない雰囲気作りを実施しました。

 こうした施策が功を奏し、同社の業績はみるみる回復。社長就任半年後の2017年3月期には経常黒字に、1年後の2017年4~9月期(中間決算)では最終黒字を実現。2017年の12月には、わずか1年4カ月で東証1部への復帰に成功しました。この間に、社員の平均給与(賞与含む)は17%増加したとのことです。

 東証1部復帰に際しては、国内2万人の全従業員に「感謝のしるし」と書かれた金一封が配られました。封筒の中には現金2万円と、自社製品の販売サイトで使える1万円分のクーポン券が入っていたそうです。

 戴氏は社員寮での寝泊まりに加え、安価なワゴンで移動するなど、質素倹約を徹底しています。またカツラであることを公言して周囲を驚かせたり、金一封を配るなど、社員や取引先の心もしっかり掴んでいるようです。もちろんこれらはパフォーマンスの一環かもしれませんが、ここまで徹底して実践できる人はそうそういません。戴氏は課長として鴻海に転職、同社のオーナーである郭台銘氏に高く評価され、あっという間に100万人企業の幹部に抜擢されました。

 このところ日本企業では、社長や顧問などの地位にしがみつき、役員報酬をもらうことだけに血道を上げるサラリーマン経営者が増えています。しかし企業の経営は誰でもできるというものではありません。相応の能力や器を備えた人物に経営を託さなければ、企業の経営は傾いてしまい、結果として従業員の雇用を守ることもできなくなります。徹底した市場メカニズムで鍛え抜かれた戴氏がシャープを復活させたという事実は重く受け止めるべきでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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