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久米宏が振り返る「横山やすしと島田紳助」秘話


【久米宏がやすしと紳助を語る(撮影/二石友希)】

 1982年、『ザ・ベストテン』(TBS系)の司会者として人気を博していた久米宏氏が、フリーになって初めて手がけた情報番組が『久米宏のTVスクランブル』(日本テレビ系)だった。後の『ニュースステーション』(テレビ朝日系)の原点とも言うべきこの番組は、当時は異例だった芸人・横山やすしの起用で話題を呼んだ。

 自伝『久米宏です。ニュースステーションはベストテンだった』(世界文化社)を刊行し、『週刊ポスト』(1月4日発売)のインタビューにも登場する久米氏が振り返る。

 * * *
 横山やすしさんはたまたま僕と同い年で、僕は昔からやすきよの大ファンで、『TVスクランブル』という企画が持ち上がったときに、どうしてもやすしさんに出てもらいたかったんです。それで、『料理天国』(TBS系)という番組で共演していた西川きよしさんにやすしさんを紹介してもらったんです。でもその後、「やすしさんと番組をやる」って言ったら、きよしさんは反対したんですけどね(笑)。「やめたほうがいいですよ、やすしさんとはやめたほうがいいですよ」って。でもやってみたら、やっぱり、面白かったんですよね、スリリングで。

 ソ連の最高指導者だったブレジネフの葬儀のときに、「こいつ、アカやろ?」って言い出して。僕は、「バカ!」とか言ってやすしさんを怒ったりなんかして(笑)。番組も評判がよくて、数字も大河ドラマの裏で想像以上に健闘して、やすしさんの評価もかなりあがったんです。新境地開拓みたいに言われて。

 ただ、やっぱり、居心地が悪かったんでしょうね、最終的に。自分が信じていることを言って、それが僕に「バカ」って言われたりなんかしたりして、でも、評判はいいという、妙な立場に置かれたのが嫌だったのかもしれないですね。

 きよしさんと二人でやっている漫才師から逸脱することが嫌だったのかもしれないし、自分がちょっと上から目線で人を見るような立場に立つことが嫌だったのかもしれない。言ってみれば、漫才師が評論家みたいなポジションに行くのが嫌だったのかもしれないですね。

 けれど、その後にお笑いの人たちがキャスターをやる流れができていくなかで、やすしさんがやったことは大きいことでした。僕が『ニュースステーション』をやっているときに、島田紳助さんが見学に来たことがあるんですよ。まだ『サンデープロジェクト』(テレビ朝日系)の司会をする前だったんですけど。

 僕はそのとき、紳助さんが来ているのを知らなかったんだけど、たまたま大蔵省の主計局の人と予算編成をめぐって大議論になったんです。それを紳助さんが見ていて、一緒に来た人に、「これはおれにはできない」って言って帰ったという話をあとから聞きました。でも、結局はやることになるわけで。

 それから、難しくてわからないことはわからないで済ませてもいいんだっていうようになっていったと思うんです。そして、お笑いの人たちがワイドショーに出ていろんなコメントを言ったりするようになっていった。今考えると、やすしさんは、そういうところに一歩近づいていくのが嫌だったんだんじゃないかと思うんです。

◆聞き手/柳澤健(ノンフィクションライター)

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