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アメリカの北朝鮮攻撃を想定?中国が国境に「50万人難民キャンプ」準備か

 国際社会が北朝鮮への圧力を一段と強める中、後ろ盾とされてきた中国で気になる動きがあった。ニューヨーク・タイムズが、北朝鮮との国境に接する2つの都市が「難民キャンプ」の設置場所として指定されたと報じたのだ。同紙は「最近、北朝鮮は核・ミサイル実験を強化しており、国内が不安定になる可能性が増し米国による攻撃の可能性も高まっている」と指摘、「北朝鮮の不安定さが増す可能性が高い。

両国の国境を流れる豆満江に避難民たちが、どっと押し寄せてくる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。この「難民キャンプ」の収容人数については、日本経済新聞が"中国共産党関係者の話"として「最大50万人を想定している」とも報じている。

 北朝鮮の人口は2500万人。アメリカのシンクタンクの試算では、北朝鮮国民の脱出先としては中国50万人以上、韓国30万人、ロシア数万人、そして日本に数万人という想定がある。

 この中国による「難民キャンプ設営指示」報道は、中国通信大手の内部文書がネット上に流出したのが原因とも言われている。小原凡司・笹川平和財団上席研究員は「目的があって流出させたのか、ミスなのかは分からないが、北朝鮮に対して圧力をかけたいと思っている中国としては、アメリカ軍の攻撃を想定しているのだと匂わせる政治的意図の可能性もある」と話す。

 「もちろん北朝鮮が有事になった際には、豆満江を超えて中国に流れ込んでくる人たちが出てくることは想定されるので、その準備をすることを考えているのではないか。しかし、この地域には朝鮮族が多く住んでいるので、ここで新たな少数民族の問題を起こしたくないというのが中国の本音だろう。その人数が増えた場合、軍を増派しても抑えきれるかどうかわからないなので、隔離しておいた方が良いと考えるのは自然ではないか。特に中国が恐れているのは、政府高官や金正恩委員長が流れ込んできて亡命政府を作ってしまうと、国内に大変な問題を抱えることになる」。

 礒崎敦仁・慶応義塾大学准教授は「中国政府の会議で決定したものなのか、それとも意見が上がった程度の話なのかわからず、情報の信ぴょう性も足りないが、キャンプをつくるとしても、何とか国境の向こうに追い出して、北朝鮮側にキャンプを作ってコントロールするなら分かる。中国側に入ってくるのをよしとして、自国の領土にキャンプを作るという意図は分からない」と話す。

 同盟関係にある中朝両国だが、現状ではその関係は最悪だという。

 「最も仲の悪い国だと思った方がいい。核もミサイルも持っていて、大国意識のある中国が指示ばかりしてくるのは北朝鮮にとっては気分が悪いし、中国も北朝鮮に対して全然言うことを聞かないと不満を抱いている」(礒崎氏)

 「今年の5月、北朝鮮が初めて中国を名指しで批判した。さらに、中国を守っているのは自分たちではないかというニュアンスのことも言った。『中国が北朝鮮を利用して安全を守っていた』ということを理解していたと明かしてしまった。今の中国と北朝鮮は同盟関係というより、不信に満ちた関係だ。ただ、お互いの安全保障上、最後通牒は突きつけられないという状況だ」(小原氏)

 今後、北朝鮮では軍最高司令官就任の記念日(30日)、金正恩委員長の誕生日(1月8日)、光明星節=故・金正日氏の誕生日(2月16日)と、記念日が続く。また、今年は「ICBMの発射準備が最終段階」と宣言した、恒例の"新年の辞"も注目される。

 これについて礒崎氏は「"新年の辞"は重要だ。2018年は平和攻勢、外交攻勢に触れると思う。11月29日のICBM発射で一区切りしたから、今度は経済に集中したいはずだ。少しずつ制裁を解除してもらうために、アメリカがダメだったらロシアに話しかけてみたり、韓国に声をかけてみたりするだろう。忘れてはならないのは、金正恩委員長はものすごく強硬な振り切り方もするが融和策で振り切ることもある。

ただ、北朝鮮をどんなに分析していても、大きな方向性は読み解けても、タイミングは読めない。一つは9月9日の建国70周年記念日は大きな祝賀行事になるので、それまで何か大きなことをやりたいという気持ちはあるかもしれない」とコメントした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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