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アマゾンやグーグルだけじゃない、注目の「AIスピーカー」とは

AI Lab 編集部 ,CONTRIBUTOR

Photo by iStock

2017年は日本における「AIスピーカー元年」と言えるだろう。11月15日に満を持して日本で発売されたアマゾンのAIスピーカー「アマゾンエコー」と、10月上旬に一足先に発売された競合製品の「グーグル・ホーム」。両製品のどちらが日本市場で優位となるかメディアや関係者の注目が集まっている。

なおアマゾンエコーとグーグル・ホームは、北米市場でも「2強状態」にあり、シェアの大部分を占めているという統計もある。とはいえ、AIスピーカーの時代は始まったばかり。他社製品も続々と発表されており、今後どの製品が人気を得ていくかは不確かな状況だ。

10年を経て復活したソニー「aibo」

今後、AIスピーカーの分野で期待される製品のひとつに、ソニーの「aibo」がある。ソニーは1999年に自律型ペットロボット「AIBO」を発表。2006年に生産を終了していた。しかし、2017年11月に表記をアルファベットの小文字に変え、改めて販売すると発表。予約開始からわずか20分で完売となり、巷の話題をさらった。

今回、新しくなったaiboには人工知能が搭載されており、自らオーナーに能動的に働きかけ、喜ぶことを学習していくという。また高齢者などの健康状態をチェックする「見守り機能」をはじめ、他社が開発したIoT端末と連動したサービスも随時更新されていく計画だという。

aiboは犬型ロボット、ペットロボットと呼ばれているものの、仕組みや機能、想定されている用途などを考え合わせると、AIスピーカーとしての特徴をすべて持ち合わせている。公言されてはいないが、ソニーがAIスピーカーの盛り上がりに合わせて市場に投入したのは、火を見るより明らかだろう。AI業界関係者のひとりは次のように話す。

「市場投入のタイミングが非常に上手い。しかも、aiboは過去に人気を博した商品の復刻盤で、アマゾンエコーやグーグル・ホームにはないキャラクター性も持ち合わせている。今後の発展や売れ行きが楽しみです」

LINEとNAVERが共同開発

キャラクター性という文脈では、LINEとNAVERが共同開発したAIスピーカー「Clova Champ」も見逃せない。同製品は、LINEフレンズのキャラクター「ブラウン」と「サリー」をモチーフにつくられたものだ。非常に愛らしい姿で、重量は378gと軽量。バッテリーの連続使用可能時間は5時間となっている。

搭載されているAIは、両社が共同開発した「Clova」。同AIはこれまでアプリなどに搭載され、音楽再生、生活情報検索、カレンダーブリーフィング、交通情報、場所のお勧め、英会話などのサービスを提供してきた。

LINEとNAVERはClova Champ以前に、2017年秋に「WAVE」というAIスピーカーを世に送り出している。WAVEは日本でのCM露出も増えており、認知度向上中だ。両社は加えて、ディスプレイ機能を追加した「(FACE(仮称)」の販売も準備している。

全体的な流れとしては、スタンダードなタイプ、キャラクター性を押し出したタイプ、ハイグレードタイプなどを個別に市場投入することで、ユーザーの評価を分析している段階にあるという風にとれなくもない。

またLINEとNAVERは、アマゾンやグーグルと同様、さまざまITサービス・コンテンツを自社で提供しているが、今後、AIスピーカーとそれらをいかに連動させていくかも注目したいところだ。

余談だが、いまや日本人の多くが利用するメッセンジャーアプリ「LINE」は、世界規模で見ると、後発サービスの部類に属していた。しかし、スタンプなどサービス内コンテンツを差別化することでシェアを獲得。アジア圏を中心に、確固とした地位を築くことに成功している。

そのローカライズ能力やキャラクター性を押し出した戦略を、AIスピーカーにも採用してくるとすれば、市場における追い上げにも十分期待ができるのではないだろうか。

ホログラムで2次元キャラと共同生活「GateBox」

さらにLINEが出資している製品には、「GeteBox」もある。「好きなキャラクターと一緒に暮らせる世界初のバーチャルホームロボット」との触れ込みで開発が進められている同製品は、筐体の中にホログラムで2次元キャラが浮かび上がり、ユーザーの話し相手や家庭におけるタスクをサポートするというコンセプトとなっている。

AIが搭載されるかどうかはまだ不明だが、筆者が過去に取材した開発関係者によれば「AIスピーカーのような使い方を想定している」とのこと。開発中にもかかわらず、世界的にも話題となっており、すでにアメリカ、中国、台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどから多方面の問い合わせがあるという。

AIスピーカーの登場は、人間と機械が普通に暮らす時代の幕開けを象徴するものになるかもしれない。自然言語処理や画像認識、検索精度の向上などAIやハードの性能ももちろんだが、いかに安心感を与えられる、もしくは愛されるかが売れ行きを左右するファクターになるかもしない。

「機械の擬人化」など、カルチャー分野で強みを見せてきた日本から、ヒット商品が登場するか。注目していきたい。

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