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中国人の“不信感”を払拭するアリババ実店舗、ネットとリアルの融合で“新しい小売”へ

 中国のインターネット通販最大手・アリババが、スーパーの出店ラッシュで注目を集めている。世界中でネット通販に押されて実店舗が苦戦を強いられるなか、なぜ今、ネット世界の王者がリアルな世界へと舵をきったのか。『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)ではその実態を取材した。

 あるアリババのスーパーが出店したのは、もともと日系のスーパーマーケットがあった場所。去年、業績悪化のため閉店したところ、今年の6月にアリババが新型スーパーをオープンさせた。

 店内でまず目をひくのは巨大な生け簀(す)だ。数十種類の海産物を販売し、客は自分が選んだものを購入することができる。買った食材はすぐ隣で調理を依頼することも可能で、混み具合にもよるがこの日は約20分で料理ができあがった。中国人客からは「いいね、すごく美味しいよ」「カニや魚を食べたい時に来るよ。自宅で調理するのは面倒だからね」「ここの海鮮は新鮮で安い。それに店の雰囲気もいいね」と好評だ。

 もうひとつの特徴は、店内の天井にはりめぐらされたレール。このスーパーでは「オンラインとオフラインの融合」を新たな戦略として打ち出しているが、店内の商品全てがオンライン注文の倉庫にもなっている。店員は客からのオンラインでの注文を受けると即座に商品を収集。商品はレールを通って配送センターに集められ、注文から30分以内にバイクで配送される。配達サービスの提供範囲は店舗から3キロ圏内で、アリババグループ盒馬北京広報の騰浩さんは「より多くのお客様に良質な商品とサービスを提供するために、実店舗を増やしていきます」と話した。

 このスーパーが掲げる「実店舗=オンラインの倉庫」の戦略。中国では、偽物がまじるなどネット通販への不信感が根強いことが背景にある。来店客に話を聞くと、ネットで注文する商品が店舗で実際に見られると「とても安心」だという。

 また、アリババにとってもネット通販の弱みを補うことができる。アリババの調査によると、中国の小売市場におけるネット通販の割合はわずか15%で、85%は依然として実店舗での売り上げだ。そこで、ネット通販で培ったビッグデータなどのIT技術を駆使し、在庫管理や店舗経営、物流、決済に至るまで一括して行う“新しい小売”を実践している。

 支払いは、実店舗でもネットでもアリババの決済サービス「アリペイ」を利用している客が多い。アリペイを使うと商品を安く買えるほか、偽札が出回るなど貨幣への信頼度が低いことも要因になっている。

 現在の店舗数は20店舗だが、来年は200店舗を開店させる予定。海外の注目度は高く視察に来る人も多いという。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

▼『けやきヒル’sNEWS』は毎週月~金曜日 12:00~13:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!

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