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大手ゼネコンは日本企業の象徴

大手ゼネコン4社(大林、鹿島、清水、大成)がリニア中央新幹線工事に関して受注調整、すなわち談合というかカルテルというか、不正な受注工作をしていたことが明るみになった。さもありなん、「これが日本企業だ」と、肩を落としてしまう。

少し前、「中元、歳暮でうん十万円の商品を配るんや」と自慢していた元大学の同級生の話を書いた。大手ゼネコンではないが、(少し詳しく書くと社名がばれるので書かない)大手である。盆暮れの何もない時でうん十万円だから、何かあればどうなるのかと思う。
日本の大企業は、とくに官公庁(JR東海も元官公庁)と取引のある大企業は多かれ少なかれ同じだったのだろう。今も同じかも。

金融機関がMOF担(当時の大蔵省の担当者)を配置して接待していたのと、同じようではあるが、性質が相当異なる。MOF担が直接政府から商売の注文を受けることはない。これに対して事業会社は受注する。受注単価を甘く査定してもらえれば、桁がよく分からないので当てずっぽうだが、何千万、何億、もしかしてそれ以上の利益が転がり込む。とすれば、うん十万円の盆暮れの付け届けは、はした金でしかない。

原発も電算機(コンピュータ)も同じだろう。もっと広げて、電気料金は、タクシー料金は、病院の診療報酬はどうなのかと思ってしまう。要するに、中央政府、地方政府の発注事業はもちろん、許認可を受けるだけでも、かつてこれほど美味しい商売はなかった。
そんな環境に慣れ、育った日本企業が世界と競争できるはずがない。英語で外国の官僚を口説くほどの能力があれば別だろうというものだが、今では(かつてから?)アメリカやEUのカルテルに対する罰則の厳しさは日本以上である。

ちなみに、大手ゼネコンの海外売上高は、大成が10%未満、清水が10%前後、鹿島と大林が20%少し程度である。あまり海外進出できていない。売上高は、海外進出を少ししている鹿島と大林が1.8兆円程度、海外進出ができていない大成と清水が1.5兆円程度である。国内だけ取り出せば、4社に大きな差がない。
この4社、昔から力というか売上高規模が拮抗している。考えて見れば、このように大手が、しかも4社という大きな数の企業が、昔の力関係のままに何十年も存続している業界は珍しい。あるとすれば、電力やガスといった地域独占企業くらいなものか。ということは、4社はリニア中央新幹線だけでなく、いろんな大型工事で陰に陽に話し合いを行い、共存を図っていたのではないかと邪推してしまう。

実は35年以上前、アナリストとしての業務を開始した当時、建設業界の担当となった。この業界、会社ごとの差異に乏しくて簡単だったことと、ついでに担当していた日本経済全体の動向分析との関連が密接だったことによると思う。その担当の時、建設業界からはうん十万円の盆暮れの品物どころか、1円たりとももらったことがない。その恨み?をここで爆発させたことになるような。

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