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“第4の携帯電話事業者”参入は「楽天経済圏」のパーツか ネット企業に重要なリアルの接点

 楽天が来月にも自らの基地局を持つ携帯電話会社を設立し、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く第4の携帯電話事業者を目指すことがわかった。申請が認められれば大手3社の寡占状態に風穴を開けることになり、携帯料金の引き下げにつながる可能性もある。

 楽天は現在、NTTドコモの回線を借りて格安スマホ「楽天モバイル」を運営しているが、契約料金が低いことやドコモに対する接続料の支払いなどもあり、大きな利益が見込めていない。そのため、自らの回線網を持とうと新規参入を目指したと思われる。楽天は2025年までに最大6000億円の資金を整備のために投入すると言われており、後発企業である楽天が巨額の投資に見合う利益を生み出せるのかは不透明だ。

 携帯ジャーナリストの石野純也氏は、楽天参入のメリットを「専用回線を持つことでの通信速度のコントロール」「ドコモの影響排除」とする一方で、成功のカギには「ドコモの協力が不可欠。他社の協力なくては勝負にならない」と自社のみでは難しい点を指摘。6000億円の投資については「他社の1年分の設備投資と同規模程度にすぎない。首都圏など地域限定の可能性もあるのでは」との見方を示す。

 ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は、3社で固めている市場への参入に驚いたというが、楽天の三木谷社長の狙いとして「楽天経済圏」の言葉を当てはめる。

 「三木谷社長は、お客さんを全て自分たちのグループで囲う『楽天経済圏』という言葉をよく使っている。インターネットは仮想空間にあり、リアルな場でつながっていないので、ネット企業はお客さんといかに接点を持つかがポイント。いかに接触機会を増やすかを考えると、毎日持ち歩く携帯はすごくいい。例えば、楽天ポイントを使って携帯電話の料金を払えたりとか、携帯を通して楽天トラベルを予約して旅行先で買い物をしたりと、生活に常に楽天のサービスがついてくるという構想だと思う。円を描くためにパーツをどんどんはめていっている」

 さらに、インターネット企業がリアルで接点を持つことについて「消費者が直接触るものはビジネスで一番大事。大手ネット通販のAmazonも電子書籍を作ったり、Googleがスピーカーを作ったりしている。リアルな消費者の生活に入ってくる商品をいかに作るかがネット企業の課題」と海外ネット企業の事例を引き合いに出した。

 また、携帯料金については「安くなる見通しはある」としたうえで、「かつてソフトバンクが入ってきた時に安さ・サービスで良い競争が起きた面はある。ただ安売りだけで入ってしまうと、消費者にとっては一瞬メリットがあるが、マーケットにとっては価格競争になりお互い苦しくなる面もある」と懸念点をあげた。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

▼『けやきヒル’sNEWS』は毎週月~金曜日 12:00~13:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!

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