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旅行代理店業界を延命させる為の海外旅行振興は辞めたほうがいい

一見して爆笑してしまった記事をご紹介。以下、産経新聞からの転載。
若者よ、旅に出よ! 国際航空路線維持のため官民が海外旅行需要テコ入れ
http://www.sankei.com/economy/news/171207/ecn1712070055-n1.html

海外と日本の相互交流を活性化させようと、訪日外国人旅行客に対するテコ入れだけでなく、日本人の海外旅行客を増やす取り組みが本格化してきた。海外旅行は日本国内の消費にはつながらないが、訪日客増加だけでは国際航空路線の維持が難しくなる事情もあり、官民挙げて需要喚起を加速している。
上記の出だし部分はまだマトモなわけですが、本記事の爆笑ポイントは以下の部分。
海外旅行の伸び悩みは訪日客数にも影響しかねない。海外から日本への便を運航する航空会社は、機体を日本から海外に出発させる復路の便に空席が多ければ採算が取れなくなり、結果として日本向けの便を維持することが難しくなるためだ。
どうやらこの記事を書いた記者は、訪日外客は往路は使っても、復路は使わないと考えている模様です(笑

ただ観光客は不法滞在を前提としていない限りにおいて、通常は日本に来訪したのと同じ数が外に向かって帰ってゆくので問題はない。往路、復路の需要バランスに関して私が航空業界関係者の方々から耳にするのは寧ろ貨物の問題で、貨物に関してはどうしても一方通行になりがちで、それ故に人間の利用者は居るにも関わらず不採算路線として減便や廃止せざるを得ないなどという話がしばしば耳に入ってくるところであります。

この記者の論は余りにもショウモナイのは仕方がないとして、最近アチコチで報じられているこの「官民を挙げた日本人の海外旅行振興」に関しては、実のところ上記の記者がその意義を正しく理解できない程度の論拠しかなく、本当はJTBを筆頭とする「死にゆく」旅行代理店業界の延命が主たる目的でしかないのが実態であります。

爆買いブームは短命で終わったとはいえ、2020年の東京五輪開催にむけて我が国では未だ訪日外国人観光ブームが続いています。ただ、この訪日外国人客というのはJTBを筆頭とする国内旅行代理店業にとっては必ずしも「旨み」のあるお客さんではありませんで、例えば1兆3千億円の年間売上を誇るJTBグループの中で訪日外客向け事業売上は高々500億円程度にしか及ばないわけです。結局、彼らのビジネスモデルは日本人相手に旅行パッケージを売る商売が主軸でしかないわけで、ここの分野というのは長らく横ばいなんですね。もっと言えば昨今、FITと呼ばれるパッケージを使わない個人手配の旅行がどんどん増えていることから、完全にこの分野は将来的な斜陽化が見えてしまっているわけです。

彼らは今「日本人の海外旅行の促進を」なんてことを必死で叫んでいるわけですが、旅行代理業界の斜陽というのは彼らが言うところの「日本人の海外旅行離れ」が必ずしも主要因になっているワケではありません。むしろ路面店舗を出して対面でパッケージ商品を売っていた古い旅行代理業のビジネスモデルの終焉なのであって、そこを切り捨てながら急速にビジネスモデルの転換をさせてゆくしかない。

LCC各社が自社サイトで座席を直販し、エアビーがオンラインで民泊業者と観光客を直接繋げている世界の中で、古いビジネスモデルから脱却できない旅行「代理」業の方々にはパッケージ旅行を未だあり難がる団塊の世代と共に自然減し、最終的には消滅して頂くしかないワケで、そこに何やかんやと意味不明な理由をつけて行政リソースを投入して延命を図るのは、私としては究極の無駄としか思えないわけです。

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