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米個人投資家が増税懸念で年末に株を売る可能性~先入先出に替わるとすればだが

米国の税制改正法案審議は大詰めにきている。

その中であまり議論がされてこなかったのが、上院法案の中の個人投資家が株を売却する時の売買益決定ルールだ。

WSJによると、上院の税制改正案では、個人投資家が株を売るとき「先出先入法」で売買益を計算することになるという。つまり保有している株の一部を売却した場合、先に購入した株から売却したとみなすルールだ。

WSJは電気自動車メーカーテスラの株を例に説明している。2013年にテスラ株を35.36ドルで買い、更に今年6月に360.75ドルで買った人が現在テスラ株を306.53ドルで売ったとしよう。

現在のルールでは、どちらの価格で購入した株を売却したことにするかを投資家は選択することができる。つまり今年買った株を売却するという選択をすると、54.22ドルの売却損が出て、売却損を他の利益と相殺することができる。

しかし上院法案に沿って税制改正が行われると、2013年に買った株を売却したとうことになり、271.17ドルの売買益が課税対象になる訳だ。

このため古くから株式投資を行い、簿価の低い株を持っている個人投資家は税制が変わる前に含み益の大きい株を売却しようとするのではないか?とWSJは予想している。

ひょっとするとこれは株式相場のちょっとした攪乱材料になるかもしれない。

もっとも下院の税制改正法案には、先入先出案は入っていないので、先入先出案が可決されるかどうかは微妙だと思うが。

私は税制は市場や経済を攪乱したり、歪めたりすることは好ましくないと考えている。

日本の場合の大きな問題は、相続時に不動産特に借家建付地の相続税評価額が大きく減額されることにあると考えている。

そのため相続を前に株を売却し(上場株は100%時価で評価される)、評価額の低い不動産に資産を移すことを進めるアドバイザー等が多い。

このことが不要のアパート建設を促進し、空き家増加の一因となっている。個人個人の課税回避策が市場と経済を大きく歪めているのである。米国議会も目先の税収確保だけでなく、株式市場の健全性を維持するという視点も加えて慎重に議論をして欲しいと思う。

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