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東レデータ改ざん問題で分かった、榊原会長と日覺社長の“不仲” - 「週刊文春」編集部


日覺社長会見の翌日、謝罪した榊原氏 ©文藝春秋

 日本財界のトップ・榊原定征経団連会長の出身企業・東レで発覚したデータ改ざん問題。榊原氏は経団連会員企業に調査を求め、東レは改ざんした子会社の社長を更迭するなど対応に追われている。

 11月28日に緊急会見を開き、改ざんを認め、謝罪した日覺昭廣社長は、11月3日に書き込まれたネットの掲示板情報を受けて、自ら公表したと釈明した。だが、小誌に本件を告発した東レ関係者は語る。

「製品検査で安全上問題がなければ内々に済ませる方針と聞いていました。そうやって隠蔽した後に明らかになれば会社にとって致命傷になると考えて、私は文春に告発することにしたのです」

 1年以上前に社内調査で発覚し、日覺社長と一部の役員だけで対応にあたっていた改ざん問題。東レが公表に向けて舵を切ったのは、11月26日夕方、小誌記者が日覺社長を直撃してからだった。

 この時は「昔の話では」と事実関係を認めなかった日覺社長だが、翌27日、全取締役に改ざんの事実を伝え、経産省にも報告。夕方には、小誌に東レと子会社が事実を認める回答を寄せた。

 だが、この日、“ピエロ”になってしまったのが、東レ前社長の榊原経団連会長だ。定例会見で、神戸製鋼や三菱マテリアルの改ざん問題についてこう苦言を呈したのだ。

「(データ改ざんの)発覚時点で公表するのが原則だ」

 だが、まさに同じ頃、東レはデータ改ざんの対応に追われていた。8年に及ぶデータ改ざんは榊原氏が社長・会長在任中の出来事でもあった。会見直後に東レから報告を受けた榊原氏は、「改ざんは知らなかった。慙愧(ざんき)にたえない」と謝罪を余儀なくされた。財界関係者が語る。

「日覺社長が文春に直撃された直後に榊原氏に連絡しておけば、一連の会見で恥をかかずにすんだ。2人の不仲は噂されていましたが、今回の事態でそれが露わになってしまった。問題は不仲が危機管理にも影響を与え、ひいては経団連会長の求心力低下につながっていることです」

 榊原氏と東レは、小誌に「報告が会長会見の後になったことは単に当日のスケジュール調整上のことで他意はございません」と回答した。

 改ざん発覚で、財界総理への信頼も揺らいでしまった。

(「週刊文春」編集部)

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