記事

バロンズ:ビットコイン、債券市場・・2018年はバブル崩壊?

バロンズ誌、今週のカバーは米株見通しを掲げる。2016年の米大統領選を経て好調な経済、税制改革期待、投資対象の不在などを背景にミドルエイジ・クライシスからエンジン全開な状態へ変化した米株は、2017年に約18%上昇してきた。

2009年3月に始まった強気相場は9年目に差し掛かり、Fedの利上げが意識されるなか、2018年も米株は堅調なリターンが期待される。ウォール街の著名ストラジテスト10名のS&P500の予想レンジは2675〜3,100。12月8日のS&P500の終値が2,651.50のところ、2,675とほぼ横ばいを見込む人物はたった1人で、3,000以上は2人となっている。彼らの予想の詳細と根拠については、本誌をご覧下さい。なお別のコラムでは、投資すべき10銘柄についても紹介されている。

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォールストリート、今週はビットコインを取り上げる。抄訳は、以下の通り。

最大の投資バブルーThe Greatest Investment Bubble.

もし2017年がバブルの年だとすれば、2018年にそのバブルが崩壊する可能性が高まる。

エコノミストというより、歴史家で作家とて活躍したジョン・ケネス・ガルブレイス氏は、1997年版の”The Great Crush 1929”の書き出しで、「今まさに執筆中のこの時に、我々が凄まじく散財していることは、空虚な楽観に捉えられていない者にとって明白である」と記した。1997年と言えば、”根拠なき熱狂”の初期段階であり、ITバブルへ突き進んでいた頃だ。この言葉は、過去だけでなく現在にも当てはまる。

ガルブレイス氏は、こうも記した—「ここに、基本的かつ回帰的な過程がある。株価、不動産、芸術品であろうとも、価格が上昇すると意味では同じことで、価格上昇は買い手の関心を引き、上昇すればするほど大きな効果を生む。期待はこうして正当化され価格の上昇につながる。過程は続き、楽観主義が生む効果が秩序となり、価格はさらに上昇する」。ガルブレイス氏による20年前のこうした記述は、前週わずか40時間で40%も急伸したビットコインの比較不可能で理解不能な上昇を表現するのにふさわしい。テクノロジー関連サイトのリコードによれば、アップルのiTuneで展開するアプリのストアでビットコイン取引所のコインベースはダウンロード1位に輝いた。その間、米株市場を始め米債、商品、為替などウォ—ル街にある既存の市場からボラテリティを奪った。11日にCBOTでビットコイン先物が上場されてから、大騒ぎの本番が始まるに違いない。

ただし、こうした狂乱の終焉に大幅下落がつきものだ。ガルブレイス氏がチューリップ・バブルの顛末を挙げるまでもなく、「下落はいつも突然で、幅欄が風船が割れた時のように秩序だったものとはならない」。

ビットコインの時価総額は2,550億ドル(12月8日時点)に達し、S&P500の構成銘柄のほとんどを上回る規模に達した。仮想通貨と株式の比較は新たな局面に入り、JPモルガン・チェースの株価がビットコイン・ベースで89%下落したと極端な分析を展開する者も現れた。その人物は、仮想通貨のシステムが古くからの富を新たな秩序へシフトさせる「富の再分配」であるといい、古くからの富というのは、ビットコインを「詐欺」と一刀両断したJPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)が代表するような層のことだろう。

しかし、ビットコインの市場規模は最大のバブルと比較すれば見劣りする。ルーミー・サイラスでグローバル・フィクスト・インカムとエマージング債券市場グループの共同リーダーを務めるデビッド・ローリー氏いわく、マイナス金利にある債券こそがそれにあたる。

JPモルガンによれば、世界でマイナス金利にある国債は10.1兆ドルと、ビットコインの40倍近い規模にある。それでも2016年7月時点のピークにあたる12.7兆ドルから減少したのだが。マイナス金利にある国債は投機家による売買ではなく、中央銀行の金融政策によるものだ。欧州中央銀行(ECB)は月額600億ユーロの資産買入を行い、日銀も10年債利回りをゼロ付近で抑える政策を採用している。

資産圧縮、Fedの予想では以下の通り。

fed

fed1
(作成:My Big Apple NY)

マイナス金利は、ゼロ以下に陥ることのない米国のドル建て債券の金利を含めて押し下げてきた。しかし、2018年になれば変化に直面するだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)は4.5兆ドルに及ぶ保有資産の圧縮を開始済みで、ECBは資産買入額の縮小を決定した。

リンゼー・グループのピーター・ブックバール氏は、Fedの資産圧縮とECBの資産買入額縮小により、資本市場に流入する金額が1兆ドル縮小すると見込んだ上で、こうした金融政策の変化に無関心な投資家に警鐘を鳴らす。米欧の金融政策の変化は、マイナス金利に陥った債券が上昇に転じさせかねない。債券価格の下落はゆるやかにとどまるか急落するかは、蓋を開けてみないと分からない。

米11月雇用統計では非農業部門就労者数(NFP)こそ好調を維持したが、平均時給は伸び悩んだままだった。サンフランシスコ地区連銀の調査では、労働市場に再参入した労働者の賃金は既に存在する従業員より低く抑えられ、特に引退しつつあるベビーブーマー世代と比べれば顕著だという。FRB議長に就任するパウエルFRB理事はエコノミストというより弁護士で知られるが、彼が率いるFOMCが平均時給の低迷をいかに取り扱うか、注目される。

その他にも、ブラックスワンとなりうるテーマが存在する。BCAリサーチによれば、第一の懸念材料はトランプ米大統領の政策であり、支持率低下から海外に目を向け中国との貿易戦争突入やイラン制裁で強硬手段を選びかねない。北朝鮮もブラックスワンとして意識されるが、クーデターも視野に入れて置くべきだろう。

欧州に目を向けると英国での労働党政権誕生のほか、イタリアの総選挙結果が債券市場を中心に市場を混乱させうる。ラテンアメリカも要注意だ。中国の引き締め寄りな金融政策の影響で、政治と信用市場へのリスクが台頭してもおかしくない。ただ、こうしたリスク要因は楽観的な見方が優勢な2018年予想で言及されないケースがほとんどである。

——米11月雇用統計で明らかになった通り、労働市場が完全雇用に到達したも同然の状況で平均時給は伸び悩みを続けます。10月と異なり、娯楽・宿泊といった平均時給が低いセクターが雇用の伸びを牽引したわけではないものの、この体たらく。税制改革が実現すれば、消費を押し上げ企業業績に反映され、賃金を押し上げるのでしょうか?2005年のレパトリ減税を振り返ると、設備投資は前年比9.5%増と加速し、雇用統計・NFPは平均21万人増と前年の17万人増を上回り、平均時給も前年比2.7%と前年の2.1%から加速しました。

しかし現状、3年ぶりに2期連続で3%成長を達成した割に平均時給がレンジ内にとどまります。省力化、自動化が加速するなかで本当に企業が設備投資を拡大させ雇用を増加させるのかは不透明。中間選挙を控え成長減速を回避したいトランプ政権にとって、利上げペース引き上げの根拠を後退させる上で、好都合なのでしょうが・・。

あわせて読みたい

「ビットコイン」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    橋下徹氏「日本政府はダメダメ」

    橋下徹

  2. 2

    朝生の「女性論客特集」に違和感

    常見陽平

  3. 3

    裏社会を感じるシェアハウス業界

    ヒロ

  4. 4

    奨学金に大学生「借金だと実感」

    AbemaTIMES

  5. 5

    東京マラソンでホームレス何処へ

    ビッグイシュー・オンライン

  6. 6

    眞子さま結婚延期で両陛下ら密談

    NEWSポストセブン

  7. 7

    田原氏 文大統領は北を訪問する

    田原総一朗

  8. 8

    楽天の株価低迷 必要なのは増配

    自由人

  9. 9

    「性奴隷」発言の韓国閣僚は奇怪

    岩田温

  10. 10

    よしのり氏 東京新聞はおかしい

    小林よしのり

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。