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世界4位の“スパコン”助成金詐取の疑い 東大先端研 佐藤信助教「35億円支援の過程の究明も必要」

 世界4位のスーパーコンピューターを開発した会社の社長らが助成金をだまし取ったとして逮捕された事件で、男は自身が経営する別の会社への業務委託を装って助成対象となる費用を水増ししていたことがわかった。


※画像は『ANPACA.TV』より

 「PEZY Computing」代表の斉藤元章容疑者(49)ら2人は、助成対象となる費用を水増しし、国立研究開発法人「NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)」から助成金約4億3000万円をだまし取った疑いが持たれている。

捜査関係者によると、費用として報告書に計上した約7億7300万円のうち水増し分は5億円近くに上り、その一部は斉藤容疑者が経営する別の会社に対する業務委託を装っていたとみられ、東京地検特捜部は捜査を進めている。

 PEZY Computingは先月、開発に関わったスーパーコンピューターが世界ランキングで4位に入り注目を集めていたが、そもそもこの「スパコン」はどういった場面で使われるのか。『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)では、政治学者で東京大学先端科学技術研究センターの助教を務める佐藤信氏に話を聞いた。

 スーパーコンピューターの計算速度はそれぞれの国の科学技術を示すものとされ、日々国際競争が行われている。佐藤氏はそのスーパーコンピューター自体の性能とは別にもう1つの側面があると話す。

 「例えばバイオ技術の分野では高速の演算処理が必要で、スパコンを何日間か借り受けて演算を行っている。スパコン自体の演算処理速度が世界一かどうかとは別に他分野の研究や産業を支えている側面もあって、こういったものを持っておくことは日本の科学技術にとても重要なこと。実際に世界4位のものができたことは投資としては成功している」

 NEDOからの助成金は今年度までの8年間で総額約35億円が決まっていたというが、その金額について佐藤氏は「研究としては大きな額と驚かれるかもしれないが、実際にスパコンを作るには設備投資にもの凄くお金がかかる。今後世界トップレベルのものを作っていくことがこの予算で可能なのであれば、それを応援するというのはありえた選択。」と指摘した。

 またNEDOが経済産業省の関連機関であることをあげ、「基本的に研究で助成金を受ける場合には、文部科学省もしくは文部科学省系統の団体から助成金を受ける。

NEDOは経済産業省の関連機関で、もっと産業を重視するような、とりわけベンチャーを支援するような部分から支出されている。成果を出すことを前提に国と組んでいるので、他の研究に使えるかという汎用性とは別にスピードや省エネ性能に注力しないといけない部分もある」と説明した。

 そのうえで、「斎藤容疑者に実際にどの程度の悪意があったのかを究明する必要がある。設備投資が必要だが長期は無理で、短期で水増し請求をしてでも費用を回収しようとしたのかもしれない。詐取は断じてあってはならないことだが、ここはベンチャー企業を支援する時の制度の問題としても考えていかなければならないと思う。

こういった事業はいわば国策。どの機関にどれだけのお金が投入されたのか、どのような過程で35億円の支援が決まったのかも含めて透明性を確保する必要がある」と制度への見解を述べた。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

▼『けやきヒル’sNEWS』は毎週月~金曜日 12:00~13:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!

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