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そして伝説へ...羽生善治さんが達成した“永世七冠”はどれだけすごいのか?

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羽生さんの時代はいつ終わるのか

共同通信社
「じゃあどうすれば羽生さんの時代は終わるの?いつ弱くなるの?無敵過ぎない?」と思った方もおられるでしょう。羽生さんがこの考え方のもと進んでいくと、ペースはこれまでのようにいかなくても、タイトル獲得を重ねていくと思われます。もはや、「羽生さんの人間としての限界=肉体的・精神的な限界」を迎えるのを待つほかない…羽生さんの精神力、将棋へのモチベーションに負けない気持ちを持ち続けること、これしか対策はないと思われます。

しかし、羽生さんが尊敬のまなざしを向ける先は、“77歳”まで勝ち星を重ね続けた加藤一二三九段。羽生さんは現在47歳。あと30年、このスタイルでやる気です。

46歳から47歳という年齢は、歴代の永世名人の歴史を見ても“世代交代”や“時代の終わり”を感じさせる出来事がありました。木村義男十四世名人は“のちに名人になる升田幸三に香車を引かれる事件(名人にもかかわらず、勝数ルールの関係で挑戦者にハンデをつけられた)”がこの年齢。大山康晴十五世名人は、次代のエース中原誠に次々とタイトルを奪われた年齢。

そしてその中原誠十六世名人は、名人戦でライバル・米長邦雄(49歳)に敗れ、無冠になった年齢。谷川浩司十七世名人がはじめてA級から陥落しそうになった年齢で、羽生さんと同い年の森内俊之十八世名人がA級から陥落し、順位戦を戦わない宣言をしたのが46歳の時。棋士人生の節目とも考えられる46~47歳という年齢で竜王位についたことも、羽生さんの偉業のひとつに数えられるでしょう。

前人未到の記録を打ち立て続ける羽生さんは、永世七冠の達成により、ある意味、“わかりやすい目標”というのは失いました。ただ、“最年長記録”という方向へ視点を変えると、まだまだ羽生さんに挑んでほしい目標はたくさんあります。前出の加藤一二三九段の最年長勝利(77歳0か月)のほかに、大山康晴十五世名人の最年長タイトル保持(59歳)、最年長タイトル挑戦(66歳)、最年長A級=将棋界のトップテン(69歳)…。

20~30年先の話になりますが、これらの記録に羽生さんはどんな立場で挑むのか?どんな将棋を見せるのか?そして羽生さんが今の“ひふみん”と同じ年になったころ、藤井聡太四段は40代の半ば。今の羽生さんと同じくらいの年齢になっているわけですが、そこまでの間でどんな記録を打ち立てていくのか。ここも見ものです。

1985年12月のデビューから丸32年。羽生さんにとって、おそらくまだ折り返し地点。羽生さんを見始めるのに、早い遅いはありません。昔からこのスタイルです。今からでも遅くありません。待ち焦がれた「竜王」を獲得し、永世七冠というひとつの「伝説」を作り上げた羽生さんの第2章は、今はじまったばかりです。

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