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アメリカ税制改革法案が引き起こす影響力

31年ぶりのアメリカの税制改革法案がいよいよ現実化しそうな勢いとなってきました。この改革法案、注目点は2点あり、一つは法人税率が35%から20%に引き下げられること、もう一つはアメリカの子会社が海外にため込んだ利益をアメリカ国内に還流できる仕組みを作り上げたことであります。

この2つのキーポイントは共に企業を刺激し、個人を潤わせる、という流れであり、ビジネスマンたるトランプ大統領が最も得意とする分野といってもよいかと思います。つまり、政治家ドナルドトランプというより実業家としての本来の実力をここで行使できそうだということであります。

言うまでもなく、これはアメリカにとって大きなフォローの風となります。更に議論が始まろうとしている銀行の規制緩和についても具体化してくれば金融大国アメリカのポジショニングは一気に高まることになろうかと思います。

先日、私はこのブログで台頭する中国を抑える為にアメリカは金融面から支配するのではないか、と指摘しましたが、方向感としてはこのストーリーを裏付けする形となると思います。

では、具体的にどのような動きが期待できるのでしょうか?

まず、国際的に活躍するアメリカ企業については海外でさまよっている余剰資金を低税率で本国に戻すことができるようになりそうです。海外でさまよう資金は2.5兆(日経)〜3.1兆ドル(ゴールドマンサックス)程度あるとされます。アップル社だけでも現金の94%に当たる2500億ドル(28兆円)を海外に置いています。これが親会社への配当課税撤廃によってアメリカに戻すことができるため、企業のキャッシュマネージメントの効率化が進むと同時に財務戦略への応用力は極めて高いものが期待できます。

その中には投資とM&A、自社株買いが含まれ、アメリカ企業による海外への影響力を発揮することになると思います。特に海外企業のM&Aでは潤沢な資金量から大型の買収も可能になります。個人的にはアメリカと親しいカナダや成長著しいアジア諸国企業がターゲットになりうるとみています。

次に資本効率化と将来の積極展開への期待が進めば株式市場への刺激も大きいとみています。アメリカの株式は既に「上げいっぱい」とされていますが、その根拠にPER(株価が一株当たりの何倍まで買われたか)の指標をあげるケースが目立ちます。一時的にせよ、PERについては理論価値を無視した展開が起こり得る可能性はありうると思います。(もちろん資金余りの状況もあります。)

個人についてみれば個人税制についての税率は大きく変化しないものの、給与などへのインセンティブを通じて潤う人は増えるとみています。(一方で統計で出る賃金水準への影響は少ないと思います。)その際、これも以前指摘しましたが、すでに十分モノ持ちになっている個人が消費に回すお金には限界があるとみられ、貯蓄や投資に回るとみています。これも当然ながら株式市場が活況を呈する要因となります。不動産についても再度、注目されるかもしれません。

地球儀レベルの企業活動だけを見れば欧州の構造的問題、中国の閉鎖性、日本を含むアジアのボラティリティの高さなどからやっぱりアメリカ発、という傾向が鮮明になる気がします。

経済成長とは何か、といえば資金力を伴う創造力と成長力だと思います。この3つの「力」を兼ね備えているのはアメリカでその先頭を走ります。

トランプ大統領はロシア疑惑で頭の痛い状況にあるかもしれませんが、経済成長については9年を超えた「あり得ない」持続力をいったいどこまで続けるのか、まるでレッドブルを飲みカンフル剤を打ち続けているような感じもしますが、目が離せないことも間違いなさそうです。

では今日はこのぐらいで。

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