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「フラリーマン」―働き方改革の欠点―

電通やNHKなどで過労死が問題となる中、各企業、団体も“働き方改革”に努力している。

私も日本財団職員が生き生きと働ける職場にすることが務めと考えている。育児休暇でいうと、女性職員は子どもが6歳、小学校入学まで取得可能であり、男性職員も妻の出産直後1〜3ヶ月の育児休暇をとるケースが多い。

日本財団の職員数は約130人。今春には女性職員12人が育児休暇中と、人事担当も驚く数字となった。一時的に組織の負担が大きくなるが、少子化が進む中、国家的見地からすれば有難いことで、これも働きやすい職場の表れと歓迎している。

女性職員の一人は5年間に3人の子宝に恵まれ、最近、職場に復帰、精力的に働いているが、担当常務理事が初めて彼女と面談したのは退任直前であったという“ほほえましい話”もある。現在も午後6時半に事務所を消灯、全員退出とするなど、働き方改革を進めている。

先般のブログでも触れたが、一般サラリーマンは土・日曜に祭日、正月や夏休みを加え、1年の3分の1は休暇を取っている。この時間を如何に過ごすか―。自分自身の健康管理、家族サービスは当然として、教養を身につけるための読書も勤め人には欠かせず、日本財団では一年に30冊の読書を勧めているが、実行できている職員は少ない。

「言うは易く行うは難し」。何事も、考えた通りにはいかない。最近の働き方改革で残業がなくなり、仕事が終わってもそのまま家に帰らず、一杯飲み屋やゲームセンターなどで時間をつぶして帰るサラリーマンが増えているそうだ。「フラリーマン」と呼ぶそうで、NHKの朝のニュース番組で取り上げられて大炎上し、一躍流行語になっているようだ。

「早く帰っても家事の邪魔になる」、「家は子ども中心に回っており居心地が悪い」というのが理由のようで、中には妻から「もう少し遅く帰宅してほしい」と注文が付くケースもあるのだそうだ。

日本財団では現在、スマホや進学塾漬けの子どもたちが、お兄さんやお姉さんボランティアから運動や勉強を教わり、シングルマザーの子どもには、やさしいおばさんが食事を作ってくれる「第三の居場所」作りを進めている。地域社会の良き人間関係を取り戻すのがひとつの狙いだ。

フラリーマンの話を聞くと、何やら家庭で居場所をなくした夫の悲哀を感じないわけではない。彼らのための「第三の居場所」もやがて必要になるのであろうか。

ルールは簡単に作れる。しかし、どのようなルールにも、それに対応できない人もいる。フラリーマンもひょっとすると、そんな存在か?「人生、何事もほどほどがいい」がいいような気もする。

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