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クリスマスツリーと割り箸

このところ、(ネットで)話題になっているのが、神戸市の神戸開港150年記念事業として企画された「世界一のクリスマスツリー」を立てるプロジェクトだ。 

富山県氷見市の山中にあった高さ30メートル超、直径約1メートル、重さ約24トン、推定樹齢が約150年のアスナロ(ヒバ)を根っこから掘り返して神戸港のメリケンパークに運んで移植するというものだ。

ニューヨークのロックフェラーセンター前のクリスマスツリーよりも大きいことから「世界一」を狙うらしい。そして移植と言いつつも、クリスマス終了後は、切り刻んで直径20ミリの「継ぐ実」と名付けた記念品にして販売するという。。。。

当然、ネット内で話題になったのは、「いいね」ではなく批判 だ(笑)。こんな巨樹を一過性のツリーとして掘り出し、最後は小さく刻んでしまうのがケシカランというわけ。

正直、私は全然興味が湧かないというか、下らない企画だと思う。ただ、いくつかの点で引っかかってしまった。

一つは、この木の持ち主は、どれほどの対価を受け取ったかということ。これを運んで移植する某プラントハンターや、企画した某氏はたんまり受け取っているのは言うまでもないが、肝心の山主はどうか。

巨木と言ってもアスナロは、そんなに高価格の木ではない。通常なら立米単価は1万円程度だ。この木の材積は5~10立米ぐらい? 長大木だからと割増を付けても、たいした金額にはならないように思う。運ぶのにかかる経費に比べたら、端金になるのではないだろうか。

もしかして買いたたかれたんじゃないだろうか。。。と他人事ながら心配になった(笑)。

これは林業全般なのだが、木材価格のほとんどが伐採搬出費とその後の製材加工費だ。何十年、ときに何百年もその木を育て守った山主が受け取る金額があまりに少ない。それでは森をつくり守る気概が失せるだろう。……今回がそんなケースに当たらないことを願う。 

そしてもう一つは、なぜ短期間に役目を終えて切り刻んだらケシカランと思われるのだろう、という点だ。クリスマスツリーとして多くの人の目に止まるのは、短期間とはいえ大きな役割だし、その後記念品になって長く人の手元に残るかもしれないのに。

実は、かつて同じことを感じたのが割り箸。

割り箸批判には必ず、使うのは食べる時間だけで、食べ終わったら捨てるのがケシカランという理屈があった。しかし長く使えばよいのか。では何回?何ヶ月? という点には返答がないのである。

私は、食べるときに使い、捨てた後には(ゴミ焼却場の)燃料になるから2回は役に立っているぞ、と言ったのだが。

何より、割り箸は、木材単価からすると、かなり高く売れる品だ。1膳が5円だとしたら単純に1立米当たりで20万円以上の価値になる。もちろん加工賃も必要だし、原木にそんな値段はつかない。そもそも(国産の)割り箸用は製材した際に出る端材部分を使う。しかし所有者にとって、高く売れるのがもっとも嬉しい。

ほかにも木材を紙にしたら一瞬で捨てられる可能性がある。ティッシュなんて鼻かんでオシマイだよ。そんな木材利用が世の中にあふれているのに、なぜクリスマスツリーは批判されるのか。

とにかく高く売れたら、その木材の使い道は正しかったと言えるのではないか。

だけど、世間はそうではないらしい。いや山主だって同じかもしれない。

以前、ヒノキの大木をもっとも高くなる使い道を探したら「表札」用だとわかったとき、山主は売るのを拒否した話を聞いた。これほどの大木を細かく刻むなんてケシカラン……というわけだ(笑)。

いずれも経済原則に反しているのだが、人の心は、大木を前にすると妙な思い入れが宿るようだ。そして、ときとして非合理に振る舞う。

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