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「知の巨人」が語る壮大な陰謀論

毎日新聞で内田樹氏が2017年の衆院選の総括を記事にしていたのですが、その内容に驚きました。勘違いにもとづく陰謀論の塊のような内容だったからです。

参考文献:知の巨人・内田樹氏 至極真っ当な提言! 安倍独裁制 本当の正体

以下、記事の文章を引用しながら私の考えを述べます。

>得票率と獲得議席配分の間には明らかな不均衡が存在する。
>今の日本の小選挙区制は、わずかな変化は議席獲得数には反映せず、政権与党がつねに圧勝する仕組みだったからである。

2009年に行われた第45回衆議院議員総選挙で、民主党政権が誕生している事を内田氏はもう忘れてしまったのでしょうか。

もう一点、小選挙区制は二大政党制を生み出すために導入されたと理解しています。これは私の考えですが、日本で米英のような二大政党制は難しいのではないでしょうか。

戦後から現在に至るまで、日本の国民は特定の理念(たとえば大きい政府で福祉社会とか、小さい政府で自己責任社会など)を強く持って、その政策を行う政党を選んでなどいないからです。自民党の中に保守からリベラルまで、左派から右派までの理念を持つ議員が広く揃っており、国民のあらゆる要望を可能なかぎり1つの政党で実現しようとして来たのは、国民が政治に「結果」だけを求めて来たからとだ考えています。

>なぜ、複雑系として設計されたはずのこのシステムが決定論的なシステムとして機能するようになったのか?
>それは低投票率のせいである。
>今回も「積極的棄権」を呼びかけた知識人がいた。
>事実、「立法府は機能していない」という印象操作に安倍内閣ほど熱心に取り組み、かつ成功した政権は過去にない。
>今回の選挙でも、若い有権者たちが自民党に好感を持つ傾向があることが指摘された。それは自民党が作ろうとしている独裁制社会が彼らにとって特に違和感のないものだからである。

「知の巨人」が大新聞で「陰謀論」を語るとは驚きました。投票率が低い原因は、浮動票の主要部分を占めるであろう若い選挙民にとって、魅力ある野党がいなかったという単純な理由でしょう。

多くの若者が政治に関心を寄せるのは何かといえば、身の回りの「経済」です。もっと単純に言えば、新卒の就職率とパート/アルバイトの時給です。難しい理由は置くとして、安倍政権になってから、「改革」をした結果、この2つが大きく「改善」しました。若者が安倍政権(と自民党)をリベラル(改革者)として評価する理由は明快です。

一方の野党(民進、共産、社民)は国会で何をしたかといえば、「秘密保護法反対」「緊急事態条項反対」「「戦争法案反対」「モリカケ追求」。少しは政策論争もしたのかもしれませんが、大手メディアは「反対している野党」しか報じない。若者が「野党は自分達に何をしてくれるのか」がぜんぜん伝わっていないのではないでしょうか。

>若い人たちは「株式会社のような制度」しか経験したことがない。トップが方針を決めて、下はそれに従う。
>構成員が民主的な討議と対話を通じて合意形成し、リーダーは仲間の中から互選され、その言動についてつねにきびしい批判にさらされている「民主的組織」などというものを今時の若い人は生まれてから一度も見たことがないのである。

もう、笑う以外にありません。

高度成長期を突っ走り、「株式会社のような制度」を産み出し、どっぷり首まで浸かって生きてきたのは、内田氏を含む高齢の世代ではありませんか。

一方で現代の日本企業のトップは基本的に「調整型」と言われています。課題のレベルに応じて関係者から意見を出させ、何回でも会議して、みなの総意で決断する。トップが決めないから日本の大企業はやたらに会議が多いのです。良くも悪くも「日本式株式会社」には民主主義が浸透しているのが実態です。

また、若い世代の価値観は多様であり、会社に人生を捧げる事を嫌って、好きで非正規雇用を続けている人や、ホリエモンの生き方に憧れている人、ユーチューバーになりたい人が少なくないという事を、ご存知無いのでしょうか。

国会の威信回復のために改革を

内田氏のような「時代遅れの知識人」がマスコミ経営層や評論家筋から1日も早く去って頂き、つまらない「反対」をマスコミが大騒ぎする事がなくなって、野党がまっとうな政策議論を国会(や予算委員会)で行うようになる事こそが、国会の威信回復の改革であろうと考えます。

結論。勘違いにもとづく陰謀論を世間に撒き散らかすのは、せめてネットの上だけにしてほしいものです。

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