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脱北者が激白!金正恩体制下の北朝鮮で亡命が減少している理由とは



 南北軍事境界線の板門店で、北朝鮮兵士が国境を越えて韓国に亡命を試みた。毎年1000人以上が脱北する北朝鮮。その全容は未だ謎のベールに包まれているが、その実情を知るのも脱北者たちだ。

 現在、韓国のソウルに暮らしている金柱精さんは、8年前に脱北した。日本で生まれた金さんは、1970年代の「帰還事業」で、幼少期に祖父と共に当時"地上の楽園"と謳われた北朝鮮へ渡った。しかし金さんたち家族を待っていた現実は、それとは程遠いものだった。

 「一番辛かったのは、"地上の楽園"などと宣伝され、憧れていた祖国の実態がそうでなかったこと。そして、そこでしょうがなしに生きていかなければならない自分の人生に対する結構やるせなさもあった。未来が見えないというのが根本的な問題だった」。

 その後、強制収容所では、激しい暴力や飢餓も経験した。結果、北朝鮮で30年間暮らすも、厳しい生活に耐えかね、金正日体制下の2009年、脱北に成功した。

 金さんは、今でも北朝鮮国内に情報源を持ち、金正恩体制の現状を収集している。9月中旬の「火星12号」発射を最後におよそ2か月にわたって沈黙を続ける北朝鮮。金さん「体制維持のための脅しだけだと思う。いわゆる自分は一国の主であると国際的に認めさせるのが急務なのだと思う。北朝鮮と話し合いをしなければいけないなと思わせるために打ち上げていた"ただの花火"だ。打たなくなったのは、一旦やりたいことをやりきったからだろう。金正恩体制は安定したと思う」。

 現状が行き詰まりを見せる中、トランプ大統領は12日、「金委員長と友人になるよう頑張ろう。いつかは実現するかもしれない」とツイート。"圧力"から"対話"へ、転換を始めている可能性もある。



 そんな金正恩体制の"安定"を象徴するのが脱北者の人数だ。これまでにおよそ3万人が脱北している、そのほとんどは金正日体制下でのもの。金正恩体制になってからは減少傾向にあるのだ。そしてこの事実こそが、金正恩体制の本質を表しているとも言われている。それが金委員長による恐怖政治だ。北朝鮮は今、国境の監視強化、脱北の厳罰化を推し進めているという。

 国民がもっとも恐れていると言われるのが、北朝鮮国内に6か所存在するとみられる「強制収容所」だ。体制に批判的な態度を取ったり、反発していると見なされると、ある日突然、政治犯として裁判にもかけられることなく収容されてしまう。そして炭鉱労働やトンネル工事など、危険な労働が強制されとされている。

 北朝鮮政治が専門の礒﨑敦仁・慶大准教授は「経済的な理由で脱北する人が多いので、経済が回復基調にあると脱北者は減る。中国にいる朝鮮族が、脱北者の援助をしてきたが、その"援助疲れ"も出てきている」と話す。



 「韓国に入ってからの脱北者には悲惨さもある。韓国で『地下鉄はこうやって乗るんだぞ』などと教育を受け、クリーニング店やタクシーなどの職業を韓国政府に紹介してもらう。でも、命からがら逃げてきたのに、なぜ未だに貧しいんだという気持ちが湧いてくる。隣の韓国人はパソコンで稼いでいる、じゃあ自分たちも仕事を辞めてパソコン学校に通おう、ということで、失業率も半数近くになっている。韓国に行っても幸せになれないという情報が口コミを通じて北朝鮮に入る。そうすると、危険を冒して脱北するよりは、北朝鮮で家族と共に、いかにこの体制下で自分たちの生活を良くするかという方向になる」(礒﨑准教授) 

(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

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